スマートフォンの人気の陰に隠れて、コンパクトカメラの存在が危ぶまれている中、一人勝ちしているモデルがあります。
それが「RICOH GR IV」。
初代GRデジタルから数えて8代目、APS-Cセンサーになって4代目のモデルですね。
フルサイズ換算28㎜を基本とした、単焦点レンズを搭載のスパルタンな仕様で、カメラマニアに絶賛されているのはあなたもご存じのことでしょう。
本機は単焦点だけに、スマホと比べて便利な機能が限られています。
なので結論を先に述べると、スマホに慣れたユーザーが、手軽にステップアップを図るべきカメラではないのです。
ではどのような使いこなしが必要で、またどんなユーザーにおススメできるのか、述べてみようと思います。
▼ もくじ
ズームができない仕様なのを良く理解しておくべき

GR Ⅳはズームができないので、被写体を大きく写すなら撮影者が歩いてグッと近づく、逆に小さく写すなら体を引く必要があります。
これ、簡単なようですが、写真初心者にはなかなか実践できないもの。
つい液晶モニターで、その場で見たままに撮ってしまうんですね。
これだけでは、迫力ある画像を作ることはできません。

「思いっ切り寄る、反対に思いっ切り引く」
このように、足で稼ぐテクニックが必要です。

最近のスマホはマルチレンズを搭載していて、ズームすることにより容易に画角を変えることに慣れてしまって、単焦点レンズの使いこなしができない人が多い。
結局、足で稼ぐ方法を体得できないことで、またスマホに戻ってしまうんです。
フルサイズ換算28㎜の本機を使いこなすにはどうすれば良いか、しっかり理解しないといけないでしょう。
GR Ⅳは動画は不向き 写真撮りに特化すべき

最近のカメラはデジタルカメラでもアクションカメラでも、動画と静止画両方撮れるのが当たり前になっています。
GR Ⅳも、もちろん両方に対応する仕様になっているものの、動画の最高画質はフルHDまで。
高級コンパクトデジカメなのに、4Kに対応していないんです。

とは言え、APS-C大型センサーを採用しているので、フルHDのままだとしてもそれなりの高画質を発揮するでしょう。
しかし動画用の手振れ補正機能がないので、別途にジンバルを使わない限りブレブレになるし、28㎜の画角は望遠過ぎてとても自撮りには向きません。
録画可能時間も最長25分までしかないことで、長時間撮影には向かないカメラです。
本機が真価を発揮するのは、静止画(写真)撮影でしかないのです。
写真なら、大口径F2.8レンズを搭載しているために、ボケ味を生かした画(え)作りが可能。
特にマクロモードに切り替え被写体に接近して撮れば、周囲がキレイにボケるので、これを使わない手はないでしょう。
また本機は一眼レフ機やミラーレス機同様、絞りやシャッタースピードを自由に変えられます。
つまりプログラムAEのほか、絞り優先AEやシャッタースピードAEが搭載されている訳ですね。
そして本機には、新たにプログラムオートExが追加されています。
これは元々ペンタックス一眼レフの機能で、プログラムAEのまま前ダイヤルを回せば絞り優先AEに、後ろダイヤルを回せばシャッタースピードAEに変化するもの。
私がかつて使っていたペンタックスZ-1Pにも搭載されていた、ハイパープログラムと同じで、これがとても便利だったのを覚えています。

このように本機は、絞りやシャッターを色々変化させながら、写真を撮るのが楽しいカメラとなっているんです。
動画を撮るのを目的にしているユーザーには、歯がゆい思いをすることを事前に知っておかないと、いずれ後悔することになるでしょう。
GR Ⅳはうかつに買うべきカメラじゃない

既述のように、本機はコンパクトデジカメとしてとても高性能で高画質です。
ですがこれは、あくまでフルサイズ換算28㎜レンズカメラとしてのもの。
28㎜はスナップシューターとして最適なレンズ画角ですが、色んなものを被写体として捉えようとするなら、場合によっては画角が物足りなくなるのは否めません。
スナップに限った用途であっても、もう少し画角をコントロールしたい場合はいくらでもあるでしょう。
でもこれが最近のスマホだと、画質の低下を気にすることなく画角を変えられますよね?
またスマホには、多少の雨なら平気な防水機能を持ったものが多いですが、GR Ⅳにはその機能が全くありません。
基本的に、雨の中では撮影ができないのです。
さらにミラーレス機や、一部のコンパクトデジカメにあるEVF(電子ファインダー)もないので、逆光の中で撮ろうとするとモニターでは良く見えないんですね。
そして最大のネックは、その価格の高さです。
現在本機を手に入れるには、メーカーの公式サイトから抽選での販売となっています。
で、無事にクジに当たっても、19万4千800円(税込み)もの高いお金を払わないと自分のものにはなりません。
19万4千800円と言えば、エントリークラスのミラーレス機が、ダブルズームキットで買える値段です。
ズームができてしかもレンズ交換ができる拡張性と、EVFを使ってしっかりフレーミングを確認できる便利性を考えると、ミラーレスカメラの方が一般ユーザーには、ずっとコスパが高いのではないでしょうか?
GRデジタルⅣ
私は手元にGR Ⅳはありませんが、過去のモデルのGRデジタルⅣを持っています。
センサーが1/1.7インチと小さい分画質が劣るものの、使い勝手はほぼ同じなので、GR Ⅳの優秀性は良く分かります。
GRデジタルⅣの価格は当時6万5千円ほどでしたから、一眼レフやミラーレスのサブ機として使うなら、それで十分に買う価値のあるカメラとして評価できました。
ところが、それが20万円近くをはたいて買う価値が本機にあるのか、正直とても悩んでしまいますよね。
スマホからステップアップして、本格的に写真を撮りたい気持ちがあるのなら、NikonやCanonのミラーレスを買った方が間違いないでしょう。
さらに、購入の抽選に外れたとして意地でも欲しいと考えた場合、カメラ販売店の通販でも購入可能ですが、その場合、メーカーの販売価格の+5万円アップを覚悟しないといけません。
そこまでして手に入れるべきカメラなのかどうか、購入を考えているユーザーは十分検討すべきではないでしょうか?
GR Ⅳの購入をおススメできるユーザーとは?

28㎜は35㎜と同じように、スナップを撮るのに非常に適した画角で、私も良く使います。
ですが、その場でもう少し被写体を大きく写したい、反対にもっとワイドに描写したいと思うこともしばしばです。
それを考えると、ズームレンズが欲しくなったりレンズを交換できたら便利と、ベテランカメラマンでも感じるもの。
つまりGR Ⅳと言うカメラは、決してメインとなるカメラではないのです。
では本機は、どんな人におススメなのでしょう。
それは、普段はフルサイズセンサーを搭載したミラーレス機や、一眼レフ機をメインに使っている、それなりにカメラや写真の知識を持っている方ですね。
フルサイズ機は本体とレンズ一式を駆使して、あらゆる写真や動画を撮るのに最適です。
でもそのために重い機材を常に持ち歩くのは、プロでもない限りできません。
ベテランでもアマチュアカメラマンは、身軽に街を歩きたい場合にも、何らかの作品を撮りたい気持ちを持っています。
そんな場合GR Ⅳを体に忍ばせておけば、いざと言う時に作品を作ることができるんですね。
これが大事なことなんです。
28㎜の画角しか撮れなくても、これを生かした作品作りに没頭できるの人が本機を持つ価値が生まれるんです。
本機を持って街を歩けば、きっとスマホより優れた写真が撮れると思うのは大きな間違い。
悪いことは言いません。
もしあなたが、スマホでの撮影を卒業してより高度な作品を撮りたいなら、APS-Cセンサー搭載のエントリー機で良いので、ミラーレスや一眼レフを選ぶことをおススメしたいと思います。
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