アクションカメラのようにSDカードを使うデジタルビデオカメラは、1度撮影が始まってシャッターを止めると、そこで1つのファイルが作成されます。
つまり、シャッターを押すたびにファイルが作られる訳です。
ところが長時間撮影が続くと、シャッターは1度しか押していないのに、いくつものファイルに分割されていることがあります。
これはカメラの不具合なんでしょうか?
いえいえ決して不具合なんかではなく、これが正常な記録のしかたなんです。
同様の現象は、SDカードを使う一般のビデオカメラにも起こります。
でもファイルをPCで連続再生すると、ファイルとファイルの継ぎ目で映像が一瞬飛んだり、音が途切れたりしますよね。
これがとても気になるユーザーも多いことでしょう。
そんな継ぎ目をなくすためには、どうしたら良いのでしょうか?
と言うことで、今回は「アクションカメラのファイル分割」に付いてお話をしようと思います。
アクションカメラのファイルが分割されるのは撮影データを守るため
アクションカメラと似たメカニズムで撮影するアイテムに、ドライブレコーダーがあります。
ドラレコは運転中ずっと撮影(録画)が続いており、SDカードが一杯になると、記録したデータを削除して上書きをします。
上書きは、過去のデータを細かいファイルにした上に、古い順から1つづつ削除しながら行っています。
そうすることで、どれかファイルに不具合があって壊れても、他のファイルは守られると言うことになるのです。
また、そもそも一瞬で過去のデータを削除することができません。
アクションカメラは通常上書き撮影はしませんが、でもこれに近い理屈でデータを守るべく、同じ工程を踏みながら撮影を行います。
1度の撮影時間が短い場合は、シャッターを押すたびに1つのファイルを作りますが、その上限は多くのカメラで4GBまでとなっています。
なのでシャッターを押したまま撮影を続けると、データが4GBに到達する手前で次のファイルを作成して、さらにそのまま撮影が続行されるのです。
せっかくのシャッターチャンスに、途中でデータの損壊が起こったために全てのデータがダメになるのは、目も当てられませんからね。
残念ながら現時点のデジタル技術では、データが異常を起こすことを完璧に防ぐことはできません。
大きなデータは、ファイルを幾つもに分割することで、それを守る必要があるのです。
あくまでカメラが故障したのではないので、その点は心配はいりませんよ。
ファイルが4GBごとの単位で分割される根拠とは?
アクションカメラで長時間撮影を続けると、ファイルが4GBごとに分割されることがお分かりになったでしょうか。
ではなぜ、4GBでファイルが区切られてしまうのでしょうか?
実はこれカメラ側のしわざなのではなく、記録媒体であるSDカードのフォーマットに起因するものなのです。
SDカードがFAT32フォーマットであることで、それには1ファイルが扱える量が4GBまでと言う縛りがあります。
前述のようにデータ量が4GBを超えそうになると、自動的に次のファイルが作成され、さらにまたデータ量が4GB近くになるとさらにファイルが作られるんですね。
もしこれを無視したファイル作成をしたとしても、PCにデータを送った場合、PCは上位フォーマットexFATに対応できるのでコピーはできます。
ところがスマホにデータを送った場合、iPhoneにはコピーできてもAndroidはFAT32のままなので、コピーができません。
機種によりコピーができる・できないのがあるのは不便なので、SDカードを一律FAT32に統一させているのが現状なのです。
しかしデジタル機器は、日々、扱うデータ量が増える傾向にあります。
なので今後はいずれ、FAT32より優れたexFATに統一されるのではないでしょうか。
ファイルの継ぎ目をなくす方法とは?
ファイルとファイルの継ぎ目で映像が一瞬飛んだり、音が途切れたりするのは不自然であり不快ですよね。
何とか対策はないものかと思うことでしょう。
その対策にはいくつかの方法がありますが、一番ポピュラーなやり方は編集ソフトの機能を使うことだと思います。
ただし動画編集ソフトは種類が多く、安価なものから高価なものまで価格の幅が多いですね。
使い勝手の違いで、ユーザーが使いやすい・使いにくいと感じることも多いし、どれが一番良いのか1つに絞るのは、アクションカメラ初心者には難しいかも知れません。
だったら、手軽に無料で使える編集ソフトを利用するのが最善でしょう。
しかもスマホで編集するのではなく、PCで編集するのがおすすめです。
Windowsユーザーなら、Windows10に標準搭載されている「Microsoftフォト」を使うことですね。
MACユーザーだったら、やはり標準装備の「iMovie」が良いと思います。
しかし本当なら、それよりもっと編集の原点に立ってみるべきです。
そもそも撮った映像を編集し1本の作品を作るのなら、長時間カットのないものに仕上げてしまえば、ファイルの継ぎ目の問題など起こらないことでしょう。
以前、YouTubeに動画をアップするのなら、1本あたり3分程度にまとめるのが良いと言われていました。
現在YouTubeを見ると3分を超える動画がザラにあるので、作者が伝えたいことを充分にまとめるには、それなりの時間が必要なのかも知れません。
とは言え、10分以上続くYouTuberが作った動画を見ると、やはり視聴者を飽きさせてしまいます。
なので結論として、以上のことを念頭に作品を作れば、FAT32の縛りとなる4GBのファイル分割など、気にすることはなくなるのでは?と私は考えています。
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