2024年は人気アクションカムメーカーから、続々と新型モデルが登場しましたね。
その中で一社だけ控えた状態でいたのですが、冬になる直前に、ようやくデビューするに至りました。
それが「Insta360 Ace Pro 2」です。
名前の通り、2023年に出たAce Proの後継機ですね。
Insta360もここに来て、ようやくGoProやDJIと肩を並べることになった訳で、非常に動画カメラファン取っては気になるところ。
そこで今回はちまたで要望の多い、DJI Osmo Action 5 Proを引き合いに出し、本機と比較レビュー、記事にまとめてみたいと思います。
Ace Pro 2がAce Proと比べ良くなった点
360度カメラとして有名なInsta360は、現在ではGoProと同じような一般的なアクションカメラも販売しています。
その第1作目がAce Proなのですが、その2作目がAce Pro 2となる訳です。
まずはその2機の違い、つまり新しくなった本機の良くなった部分を述べてみましょう。
両機はパッと見、良く似ているので、単なるマイナーチェンジ版と思われがちですが、実は結構進化しているのです。
その1つに、AIチップとセンサーのグレードアップがあります。
AIチップは5nm(ナノメートル)と変更はありませんが、Ace Pro 2は、プロ用としても使えるレベルにアップしたイメージチップとしているんです。
またセンサーも1/3インチと大きさは不変ながら、感度をアップ。
これらの効果として、タッチセンサーの動きが早く操作が快適になり、また夜間での撮影でもディティールを改善して、肉眼で見るより明るく写せるようになりました。
これはとても大きな改良点ですね。
ライカと共同開発のレンズも、151度から157度へ拡大。
より広角で、被写体を捉えることが可能になりました。
画角を広げると直線部分が曲線になりがちですが、これを電子的に処理しひずみを少なくしています。
そして避けて通れないのが、内蔵マイクに装着できるウインドガード。
これにより、外部マイクに被せるモフモフ並みに風切り音を低減することに成功し、わざわざ外部マイクを取り付けなくても、内蔵マイクだけでクリアな録音ができます。
バイクVloggerに取っては、嬉しい新機能と言えるでしょう。
また、便利なフリップ式のモニターは2.4インチから2.5インチに大きくなり、さらに明るさもアップしています。
そのために、昼間の視認性がとても良くなっています。
画質はAce Proでは、4Kは最高30fpsまでしかコマ数が上げられませんでしたが、今回の本機では、60fpsまで対応できるようになりました。
4Kの高画質に加えて、さらに滑らかな動きも得られるようになった訳ですね。
さらに細かいところでは、レンズを守るレンズガードを固定式から脱着式へ変更。
レンズガードは、大事なレンズを守る保護フィルターの役目をしますが、これが万が一キズ付くと映像に写り込んでしまいます。
それを交換できるように、アクセサリーとして追加されたのは有り難いですね。
おおざっぱに言っても、これだけの進化がAce Pro 2にはあります。
単なるマイナーチェンジではなく、しっかりフルチェンジであることがお分かりでしょうか?
Ace Pro 2とDJI Osmo Action 5 Proとの比較
現在360度レンズカメラを除いたアクションカムで、最も人気を博しているのがInsta360とDJIのこれら2機種。
本来ならGoPro HERO13 Blackも入れたいところですが、以前書いたOsmo Action 5 Proとの比較レビュー記事で、残念な結果に終わったことで、今回は外すことにしました。
さて、上記2機種の外観を見てみると、Ace Pro 2(以下Pro 2)の方がひと回り大きくなっています。
大きいだけに177gと重量があり、Osmo Action 5 Pro(以下5 Pro)の方が146gと31gほど軽いんです。
この重量差、どちらも動画カメラとしては大したことはないのですが、これをヘルメットカメラとして使うと頭が重くなり、結構な違いを感じます。
ただ、本体をマウンテンバイクのハンドルに固定して使った場合、Pro 2はフリップ式モニターのため、乗りながら撮影映像の確認が可能。
これが非常に便利で、前後にそれぞれモニターを備えているとは言え、5 Proには同じ真似はできません。
タッチスクリーンに関しては、どちらもスムーズに反応して素早い設定ができ、甲乙付けがたいところです。
また、内蔵マイクを使っての録音撮影時に有利なのもPro 2。
新たに搭載した脱着式のウインドスクリーンのおかげで、大幅な風切り音の低減ができるんですね。
5 Proでこれを実現しようとすれば、ウインドスクリーンを被せた外部マイクを使うしかありません。
ストレージに関しては、どちらもマイクロSDカードを使うのは同じですが、5 Proはカードとは別に47GBのメモリーを本体に内蔵して、カードなしでも撮影が可能。
Pro 2は、カードがなければただの箱と化してしまうので、これは残念な要素です。
しかしその代わりでもないですが、こちらは撮影開始後にモニターをタップすると、撮影が一時停止(ポーズ)する機能を持っています。
これがどのように便利かと言うと、ポーズ状態から再度タップするとそのまま撮影が再開されることで、ファイルが分割されずに済むんです。
5 Proの場合、一時停止ができないことで撮影をストップさせるたびに、その都度ファイルが1つできてしまいます。
つまり後で編集する時に、余計なファイルができることで処理が面倒になりますから、一時停止ができるのはとても有り難いことなんですね。
では次に、両機の画質に付いて述べることにしましょう。
センサーはどちらも1/3インチのものを搭載し、レンズはPro 2が157度、5 Proが155度のものを採用しています。
スペックだけを見ると僅差のように思えますが、実際に撮影された映像を見ると、その違いが良く分かるんです。
と言うことで、あるユーザーが両機の撮影映像を比較した動画がありますので、じっくりとご覧いただきましょう。
協力 Kei Shinoharaさん
いかがでしょうか。
どちらもこれまでのアクションカムとは違う、優れた画質を提供しているのがお分かりになったと思います。
手ブレ補正に関しても両機とも十分に効果的だし、全体的に画面は安定していますね。
ただし昼間はともかく夜間ともなると、明るいのは同じですが、暗部の解像度の高さや照明が白飛びしないところで、Pro 2の方が1枚上手を行っているように感じます。
画角もどちらも十分に広いと言えますが、それでもPro 2の方が明らかに広いと感じるのではないでしょうか?
動画の中ではバッテリーにも触れていて、5 Proの1950mAhに対し、Pro 2は1800mAhと少なくなっています。
ですが、熱暴走が5 Proの方が早く起こることで、結果的にPro 2の方が長時間稼働できるようです。
これは購入を決める上で大きな要因となりますが、とは言ってもアクションカメラとして、5 Proも合格点を与えられる範囲だとは思います。
あと冒頭の重量の話に戻りますが、本体をアタッチメントを使って固定する場合、軽めの5 Proの方が落下するリスクは少ないですね。
そんな訳で、買うならどっちを選ぶべきか迷うところですが、その前にすでにPro 2を愛用している、他のユーザーの感想を伺ってみることにしましょう。
いくつかレビューを集めましたので、次の頁で確かめてみて下さい。
Ace Pro 2のユーザーレビュー
★「初のアクションカメラ。まだ操作に慣れていないが、今のところ不具合は無い。バイクにも取り付けてみた。少し振動があるがちゃんと撮れている。最初にスマホを接続しないと使えないが、難しくもなかった。本体は録画してみると、割と熱くなる。」
★「他社製品より若干高くても可変のディスプレイがあるのがいいと思った。ディスプレイを見下ろせるのがいい。細かな設定は良く判らないので現状のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で私には十分。可変ディスプレイがあるのでおそらく他社製品より重い。実際重く感じる。コンパクトで良い反面、落としそうな感じも。液晶は綺麗で期待通りといっていいと思う。」
★「画質は8K撮影もできるが、本体画面やスマホ画面で確認するくらいなら綺麗だが、PCで見た場合は??? 所詮アクションカメラなので期待しない方が良い。画質的にはOSMO ACTION 3位とくらべても驚くほどのものではない。あと設定項目でインジケーターランプをオフにすると、前後ともディスプレイがオフになってしまうので、前後の設定が出来るようにしてほしい。」
★「使用はそんなに難しくも無いと思う。日本語がもっと丁寧な記載・動画音声があると見やすいが、問題ではないかと。撮影したものはすぐに見れるし、スマホで撮影状況も見ながらアングルが決めれた。」
まとめ
それではここでAce Pro 2を評価しながら、Osmo Action 5 Proと比較してどちらを選ぶべきか、まとめてみましょう。
一般のレンズを使うアクションカムのメーカーとしては、Insta360はまだ歴史が浅い方だと思います。
しかし、旧モデルのAce Proに続いて今回のAce Pro 2の完成度は、かなりのものと評価できますね。
特に1/3インチのセンサーながら、昼間から夜間にかけての解像度の高さは、相当な実力を持って登場したと言って良いでしょう。
バッテリーの持ちの良さと、熱暴走に強いところもトップレベルに位置しています。
アクションカメラながら、Vlogに便利な仕様としたことも抜かりはありません。
現時点ではOsmo Action 5 Proと同様、最高のモデルではないでしょうか。
それではPro 2と5 Proと比較して結論を付けると、それは何をメインに撮るかで変わって来るのではないかと思います。
純粋に、アクションカメラとしてアクションシーンをメインに撮るのなら、5 Proの方がおすすめ。
本体フロントにもモニターがあるので、これで自撮りすることもでき、Vlogに使うことも可能です。
しかしフロント側モニターはあまりに小さく、自分がフレームの中に入っているか、確認するのが精一杯と言うハンディがあります。
それよりPro 2より軽いことで、例えばバイクのハンドルにアタッチメントで取り付けても外れてしまう心配が少ないし、万が一落下しても損傷は少ないに違いありません。
一方Pro 2は、アクションカメラとして丈夫に設計されてはいるものの、ボディが大きく重いことで、固定して使うには外れやすいリスクが付きまといます。
もし仮に、スクリーンを起こした状態で撮影していたとしたら、落下しても破損する可能性は低いとは言えないでしょう。
ところがアクションカメラとしてより、Vlogカメラとしての使用頻度が高いのなら、多少大きく重くてもそれほど気にならないし、自撮りする時でも大きくモニターできてフレーミングしやすい。
夜間でもより明るく撮影できることで、こちらの方がイケてると感じるのでは?
まとめると、アクションシーンの撮影が多くて、Vlogに使うのは少なめならOsmo Action 5 Proを。
ですが、アクションシーンは撮るけど、Vlogカメラとして使う機会も多いと言うのなら、Ace Pro 2の方を購入した方が良いと言うことです。
あとは、あなたのお好み度をしっかり加味し後悔のない選択をすることで、楽しい動画ライフを送れることでしょう。
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