今年(2024年)も例年のようにInsta360やDJIなど、大手メーカー製アクションカメラがたくさん登場しましたね。
その中で、あのGoProからも新しいモデルが発表されました。
そのモデルと言うのが「HERO13 Black」です。
はたしてこの新しいアクションカメラは、他社ライバル製品を凌駕する出来映えなのか、気になるところ。
そんなところで今回は、ほぼ同時期にデビューしたDJI Osmo Action 5 Proと比較して、ユーザーレビューとともに評価してみることにしましょう。
HERO13 Blackの特徴
今回のHERO13 Blackは、前面レンズを交換することで、さまざまな映像作りができるようになっています。
超広角レンズモッズでは177度の超広角で撮影ができ、マクロレンズモッズではマニュアル操作による11㎝~75㎝の範囲で、4倍のクローズアップが可能。
さらにスマートモーションパックでは、ND4・ND8・ND16・ND32のNDフィルターがセットになって、意図的に露出をコントロールできます。
アナモフィックレンズモッズでは、映画のように、21:9のアスペクト比で撮影ができるんですね。
HERO12 Blackでもレンズを交換することができましたが、Maxレンズモッズと称して177度の広角に対応するだけでした。
また本機は、Insta360やDJIで使われているマグネット式ラッチマウントを新採用、GoProカメラでもカメラの着脱が簡単になりました。
それから、バッテリー容量が1720mAhから1900mAhへとアップ、さらなる長時間撮影に貢献しています。
以上がざっと新しくなった部分で、1/1.9インチの大きさのCMOSセンサーやF2.5の明るさのレンズは変更はなく、多くの中枢部分はHERO12を踏襲していると言えるでしょう。
そのため、画質そのものは本機になっても変わらず高品質。
一方残念なところは、交換できる前面レンズがオプションであるのは当然としても、それぞれが高価であること。
4種類のうち必要なものだけを購入するならともかく、全てを揃えようとすれば、本体とセットで10万円を軽く超えてしまうんです。
また、ウリのマグネット式ラッチマウントは標準装備ではなく、オプション扱いなのも残念な要素。
バッテリーも容量がアップしたことは評価できても、形が変更されたことで、過去のモデルと共用することができません。
今回初めてGoPro製品を購入するユーザーなら問題ありませんが、すでに旧製品を愛用しているユーザーなら、このバッテリーさえ使えないのは何とも悲しい限りでしょう。
HERO13 BlackとDJI Osmo Action 5 Proを比較
では今度は、HERO13 Blackと宿命のライバルであるDJIの最新鋭機、Osmo Action 5 Proを比較してみましょう。
まずセンサーは、HERO13の1/1.9インチに対し5 Proは1/1.3インチと大きく、暗部での撮影に不利となっています。
画質は、同5.3K 60fps(16:9)に対し4K 60fps(16:9)ですから、この部分はHERO13の方がややリードしていますね。
ですが、実際には昼間はパット見た目には同じくらいに感じ、5 Proの方が多少明るめに表現されるようです。
ところが夜間になるとこの明るさの差が顕著になり、5 Proの方が明瞭で、こちらの方のセンサーが一枚上手なのが分かります。
レンズは、色々と交換が可能なHERO13の方があらゆる映像表現ができ、面白いと言えますね。
ですが、カテゴリーがアクションカメラと考えれば、超広角ができなくてもアマチュアに取っては両機とも本体の画角で十分だし、マクロが可能で小さな被写体が大きく接写できることも、どれ程必要なのか考えさせられるでしょう。
それより今もっと重要なのは、1つのバッテリーで熱暴走をせず、最後まで連続撮影が可能かどうかです。
その時の気候にもよりますが、HERO13は相変わらず熱暴走が起こり、最後までバッテリーを使い切れない傾向があります。
その点5 Proは、ほぼ完全にそれを使い切れる実力があるのは頼もしい限り。
それとこちらは今回、本体に新しく47GBのストレージを内蔵させました。
このため、予備のSDカードが足りなくなっても安心して撮影を続行できるので、非常に助かりますね。
HERO13にはこれがありませんから、万が一カードを入れ忘れてしまったら全く撮影できないことになり、ここは完全に負けです。
さらに、今回から新採用された機能としてマグネットマウントがありますが、このマウント、実はオプション扱いなんです。
5 Proは旧モデルからすでに標準で装備されていますから、「GoProさん何でそうしちゃったの?」と言いたい気持ちになってしまいます。
価格が多少高くなったとしても、このマグネットマウントは標準品として付属すべきだったでしょう。
とは言えこのほかに、HERO13の強みがない訳ではありません。
それは400fpsもの超スローモーションが撮影できる、バーストスローモーション機能があることです。
この機能は720pの画質に抑えられてしまいますが、1秒間に400コマのスローモーションが15秒間撮れてしまうのは圧巻。
5 Proでは1080pで240fpsが最高ですから、こればかりはHERO13の勝ちですね。
ではここで、HERO13 BlackとOsmo Action 5 Proの夜間映像と熱暴走ぶりを比較した、あるユーザーの動画がありますので、ご覧いただきましょう。
これはアクションカムを選ぶ上で、大きなポイントになりますよ。
協力 Mikasu-Channelさん
いかがですか?
この動画を見ても、HERO13の方が劣勢であるのがお分かりになったと思います。
それでは次に、すでに本機を愛用している他のユーザーの方たちは、どんな感想を持っているのでしょうか?
いくつかレビューを集めたので、次の頁で確かめてみて下さい。
HERO13 Blackのユーザーレビュー
★「目玉として13発売と同時にレンズバリエーションが大幅に広がり、さらにこの新型13では各レンズを装着すると自動認識され、面倒な設定が不要!シネマやワイドなど、さまざまな撮影をされる方には便利機能だ。なお耐熱性に強くなったとアピールされているが、YouTube動画を見ていると確かに若干持つようにはなったものの、ほんの数分程度。劇的に改善されたわけではない。それ以外でもGPSが復活したり、フレームレートがHDで400Fまで撮れるようになったなど改善点はあるが、価格が大幅に上がっており、はたして買い替えする必要があるのか十分考慮してみてほしい。」
★「このアクションカメラは冒険心をくすぐる頼れる相棒だ!5.3Kの高解像度動画と1200万画素の写真撮影が可能で、細部まで鮮明な映像を記録できる。特にダイナミックな動きでもブレを抑える、最新の手ブレ補正技術が搭載されており、アクティブなシーンでもプロ顔負けのクオリティを実現する。」
★「バッテリーの寿命がGoPro12のように長持ちしない。両方とも1080のセッティングで使用。フル充電して置いておくだけでも放電するようだ。使うすぐ前に充電し直す。セット品の充電器にバッテリーが奥まで入るので、取り出しにくい。」
★「確かに今回のGoProには、幻滅した人が多くいたかと思う。自分もそうでAce Pro 2に浮気してやる!!GoProにこりごりと思っていたが、他社は他社で色々不具合がある様で、もう少しこなれてきたら替えようかと・・・。ライバルも現れて戦国時代に突入している現代だが、ここでGoProには流石GoPro!と言える様な進化を期待している。」
まとめ (HERO13 Blackの評価)
今回のHERO13 Blackは、視点をあまりアマチュアユーザーに向けることなく、プロユースを重要視しすぎているのではないかと思われる仕上がりでした。
確かに今回用意された、4つのHBシリーズレンズは他機にはないもので、装着後に自動認識される仕様になっているなど、とても優れたオプションと言えるでしょう。
しかしアマチュアユーザーはあくまで本機を、もっと高性能で使いやすいアクションカムにしてほしいと望んでおり、超広角やマクロ21:9のシネマアスペクト比が必ずしもほしい訳ではありません。
夜間撮影に強いとか、互換性のある強力なバッテリーがほしいとか、熱暴走を起こさないとか、基本的な使いやすさを優先した進化を望んでいるはずです。
バッテリーの容量がアップしたことは喜ばしいですが、旧モデルには使えない仕様では、新旧交えて愛用しているユーザーには残念感が大きいでしょう。
また、他社に追い付くようにマグネットマウントを開発したのに、それが標準装備ではなくオプションとしたのは、アマチュアユーザーを軽視していると言わざるを得ません。
GoProカメラは、基本設計をHERO12で完成してしまったので、HERO13ではさらなる付加価値をつけることを主に考えたのかも知れませんが、目線がプロユースに向きすぎ。
その点Osmo Action 5 Proは、アマチュアユーザーに多く使われることに注視して開発されており、結果、良い製品として評価されているのではないでしょうか?
この考え方はInsta360のAce Proにも通じていて、このモデルにも本機は負けていると言えるでしょう。
GoPro HERO13 Blackは、プロカメラマンや初めてGoProカメラを手にする人にはおすすめできますが、HERO12など旧製品を使っているユーザーが買い替えするには、残念ながらイマイチな感が否めません。
今後のGoProの頑張りに期待したいと思います。
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