毎年のようにニューモデルを発表しているDJIから、今年(2024年)も新型機として「Osmo Action 5 Pro」が登場しました。
今度のモデルはこれまでと違い、末尾に “Pro” の称号が刻まれています。
Proの称号があることは今までと比べ、相当なレベルアップが図られていると言うことなのでしょう。
では昨年モデルのOsmo Action 4や、その前のモデルであるOsmo Action 3と比べて、どう変化しているのか期待したいところですね。
今回はこれらと比較した上で、このAction 5 Proはどう進化したのか、ユーザーレビューを交えながら述べて行こうと思います。
加えて、ライバルのGoProとも比較してみましょう。
Osmo Action 5 Proの特徴
Osmo Action 5 Proで新しくなったところは、まずセンサーが新しくなったこと。
1/1.3インチとAction 4と大きさは同じながら、暗い場所でのにじみを少なくしてより明るく表現できたり、全体に渡りコントラストを高くするなど、画質を向上させたのです。
また1950mAhの新型バッテリーを搭載して、稼働時間を50%ほどアップ。
1つのバッテリーで、最長240分の撮影が可能と言うことです。
それと内部にこもる熱の放出方法を改善することで、バッテリーが切れる前に本体が熱くなり、撮影が停止してしまうことを少なくしました。
外観としては、4や3とほとんどデザインと大きさに変化がないものの、前後のディスプレイはやや大きくなっています。
これは今までの液晶ディスプレイを、OLED(オーレッド)と呼ばれる有機ELに変更して可能になったことであり、より明るく解像度も高くなってさらに見やすくもなりました。
それに伴いタッチパネルの操作感も向上、一般のスマホ以上にスラスラ動いて快適になっています。
追加された機能としては、被写体トラッキング機能を採用。
これは、一旦被写体を中央にフレーミングしてカメラを設置した後、撮影を開始してから被写体が上下左右に動いても、常に中央にフレーミングを続けてくれるものです。
これはまるで、ジンバルに固定したカメラが動いて追従するような映像に見えるのですが、実際はそうではありません。
本当は、ディスプレイに映った映像より小さくフレーミング、被写体が動くとそれに合わせてフレームも動き、センターを維持させるのです。
なので撮影した映像を見ると、まるでカメラが首を振ったように思えるんですね。
なかなか面白い機能となっています。
それから、本機はSDカード録画仕様機としては珍しい、47GB内部ストレージを搭載。
47GBのメモリーを内蔵することは、64GBのカードを搭載していることに相当します。
結構な容量なので用意したカードが足りない場合や、うっかりカードを忘れてしまった時などに、非常に助かるのではないでしょうか。
SDカードと内部ストレージとの切り替えは手動であることで、使い分けが便利になっています。
さらに本体には気圧計/水圧計も搭載。
山に登ったり水に潜った際の圧力を計ることができ、過酷な環境で撮る機会が多いユーザーには重宝する機能となっています。
おおざっぱに、以上がOsmo Action 5 Proの特徴です。
Osmo Action 5 ProをAction 4やAction 3と比較
Action 5 ProとAction 4 Pro、そしてAction 3を比較すると、それはデザインと大きさがどれもほぼ同じで、パッと見、区別が付きません。
ですが中身は大きく違い、それぞれ搭載するCMOSセンサーが違います。
この中で3が最も1/1.7インチと小さく、4と5 Proが1/1.3インチと大きくなっています。
しかし大きさが同じでも、5 Proは次世代センサーとなっており、より暗さに強く解像度の高いものを採用。
ISO感度を見ると、4と3は写真・動画ともに100~12800ですが、5 Proは写真が100~25600で動画は100~51200。
この数値からしても、5 Proが暗さに強い仕様であることが分かりますね。
その上にさらに新しく、スーパーナイト機能を設け夜間撮影をより明るくするようにして、夜に弱いと言われるアクションカムのデメリットを克服しているんです。
動画は、3機種とも最高で4Kに対応。
ですが画面4:3の比率の場合で、4と3では最高60fps(1秒60コマ)までなのに対し、5 Proは最高120fps(1秒120コマ)までの、スローモーションが可能となっているんですね。
あと、既述の通り5 Proの特徴である被写体トラッキング、これは4と3にはありません。
そして、バッテリーは4と3が1770mAhだったのが、5 Proは1950mAhへと容量がアップ。
それに伴い、最大稼働時間も160分から240分へと伸びました。
ただし、これらは共通バッテリーとなっているので、新しく入れ替えれば4や3でも240分の撮影が可能になります。
なお3で好評だった手振れ補正機能、RockSteady3.0はそのまま5 Proにも継承。
また3機種とも1080pの解像度であれば、最高240fpsのスローモーションができるところも一緒です。
Osmo Actionシリーズを比較すると、違いは大体以上ですが、それぞれは飛躍するような進化はなく、地道な改良を行って完成度を高めて来た賜(たまもの)だと言えるでしょう。
Osmo Action 5 Proの実際の画質とは?
一般にカメラがどれほど高画質であるのか、もっともそのカギを握るのは光を集めるセンサーの大きさにありますが、Action 4とAction 3では単純にサイズが異なることでやはり4の方が高画質です。
解像度が上がっていて映像が明瞭で、夜間での撮影も明るく表現され、ノイズも少ないものになっています。
では同じ1/1.3インチの5 Proと4では、どんな違いがあるのでしょうか?
新しい5 Proではサイズこそ同じでも、2.4μm(マイクロメートル)のピクセルサイズと、13.5ストップのダイナミックレンジ、そして4nm(ナノメートル)の高性能チップを採用しています。
と言われても、アクションカム初心者にはその意味が良く分からないと思いますが、このセンサーのおかげで全体的に色のノリが良く、コントラストの高いものになっているのです。
また白飛びや黒つぶれが少なく、夜間での暗い部分のディティールが、明らかに表現できるようになりました。
さらに最新の5 Proでは、細かい画質コントロールができる仕様になったことで、プロのクリエーターでも使えることが、”Pro” の名称を名乗ることになったのでしょう。
さて実際に、4と比べ5 Proはどれくらい高画質になったのか、気になることと思います。
そこで、比較映像を作成したユーザーの動画がありますので、ご覧下さい。
協力 Mikasu-Channelさん
いかがですか。
同じ大きさでありながら、明らかに新型センサーの方が優れたものになっているのが、お分かりになったのではないでしょうか?
Osmo Action 5 ProとGoProを比較すると?
では、Osmo Actionの最大のライバルであるGoProと比較した場合、どう違うのか探ってみましょう。
例えばHERO 12 BLACKと比べると、大きさは少し同機の方が背が高いくらいで、大体同じサイズです。
センサーサイズは、HERO 12の方が1/1.9インチとやや小さく、その分画質的には不利となっています。
実際比べても、夜間はOsmo Action 5 Proの方がディティールが細かく、しかも明るく表現されます。
ただ昼間はあまり違いを感じられず、どちらも良いレベルですね。
HERO 12が有利なのは、4Kを超えて5.3Kで撮影できることでしょう。
しかし撮影コマ数は24fps(1秒24コマ)となっており、あまり実用的ではないのが残念。
使用感での違いは、まず感じるのがモニター画面ではないでしょうか?
Action 5 Proは、背面と前面ともタッチパネルになっています。
一方HERO 12は、背面こそタッチパネルであるものの、前面はそうではありません。
しかも本機5 Proは、新たに有機ELパネルのOLED(オーレッド)を採用していることで、明るく鮮やかでさらにタッチの動きもスムーズです。
それとマウントとの接続が、本機はマグネット式マウントでワンタッチで行えますが、HERO 12ではそれができないんですね。
強いて言えば、新しく三脚穴が取り付けられたことで、ダイレクトに三脚に設置できることが良い部分だと思います。
撮影稼働時間にしても、本機はバッテリー容量が1950mAhで最高240分撮影できるのに対し、HERO 12は1720mAhで180分止まり。
この差は結構大きいですね。
手振れ補正は、HERO 12のHyperSmooth 6.0の威力はさすがで、本機のRockSteady3.0の性能を上回っていることでしょう。
でも気にしなきゃ、RockSteady3.0でも補正能力は十分、と言って良いかも知れません。
以上、ざっと述べただけでもAction 5 Proの方が優秀であり、HERO 12は総合力で勝ち目はなさそうですね。
とは言え、GoProには新しいHERO 13 BLACKが控えており、こちらと比べるとどうなのか分かりません。
そんな訳で、いずれ、Action 5 ProとHERO 13との比較を行ってみようと思っています。
では、すでに本機を愛用しているユーザーの皆さんは、実際に使ってみてどんな感想を持っているのでしょうか?
いくつかレビューを集めましたので、次の頁をご覧いただきましょう。
Osmo Action 5 Proのユーザーレビュー
★「昼間の撮影は当然のように綺麗だが、特に夜間撮影モードは夜の暗がりでとても鮮明に撮影出来て、普通に肉眼で見るより綺麗で、普段の街並みが新鮮に見えた。バッテリーの持ちは非常に良く、4K30fpsで2時間ちょっと撮影可能だった。手振れ補正や画質を下げれば、最長で4時間使えるようだ。47GBの内蔵ストレージがあるので、SDカードを忘れがちな私は、個人的にありがたい機能だった。手振れ補正も強力で、全力で走ってもほぼブレる事なく良い映像が撮れた。」
★「初めて踏み込む商品。丁寧な説明書とかはなく、ちょっと最初に戸惑う。しかもファームウェアのアップデートも中々上手くいかずに手こずる。ただちょっと撮ってみただけだが、凄いの一言。こんなにも綺麗に撮れるんだって。これを撮ったら動画を編集したくなる衝動にかられる。もう少し誰でも簡単に扱える、そんな商品だといい。」
★「Osmo Action 4と比較して、色や明るさがかなり変わった。顔や背景の比較的暗い場所(軒下や林など)が特に明るく見え、最初0.5EV程度露出がプラス側の設定になっているのかなと思ったが、よく見ると単純にそういうわけではなさそう。また路面や石など一部の箇所は、4と比較してむしろ暗く見えることもある。詳細はわからないが、HDRっぽい映像に変わったと言えると思う。4と同じ場所で撮り比べてみると、一見キレイでいわゆる “映える” のは5 Proだが、4の方が自然な明暗と色のように感じられるので、このあたりは好みが分かれるかもしれない。」
★「熱にだいぶ強くて、4Kで撮影しても2時間撮れる。バスケ1試合分4K30fpsで撮れた。液晶が大きくて綺麗で見やすい。操作がスムーズにできる。ラグがない。自撮りもレンズ側に大きな液晶があり撮りやすい。縦長映像が撮れるトラッキングが面白い。暗所でも綺麗に撮れる。体育館のバスケも夜間モードで、フリッカーを気にせず撮れる。充電がめちゃくちゃ早い。そして電池長持ち。」
まとめ(Osmo Action 5 Proの評価)
Osmo Action 5 Proはアクションカメラとして、完成度の高さが際立つモデルと評価できます。
Action 3から地道に改良して来たことで、本機はGoPro HEROシリーズを抜いて、今、最もおすすめできるのは確かです。
ただすでに4や3を愛用しているユーザーなら、これらも完成度が高いモデルなので、ここで敢えて買い替えるほどの必要性はないでしょう。
今のところ本機と比較して対抗できるのは、GoProを除けばInsta360 Ace Proになるのではないでしょうか。
Ace Proも非常に画質が良く、直感的に使いやすいアクションカムになっています。
特に同機は、別売りのGPSプレビューリモコンの完成度が高く、これと併用することで使い勝手が飛躍的にアップするんです。
5 ProにもGPS内蔵Bluetoothリモコンがありますが、これはバッテリーの持ちが悪いなど使い勝手が良くなく、あまりおすすめできません。
今回のOsmo Action 5 Proを選ぶべきユーザーは、他社モデルからの乗り換えを考えている方か、初めてアクションカムを購入する方でしょう。
そして本機には、本体とオプションが同梱するコンボが10種類あります。
この中でどれを選ぼうか悩む向きがあるとするなら、ベーシックなスタンダードコンボか、アドベンチャーコンボに目をやると良いですね。
まずは基本的なコンボをチョイスして、後から必要なオプションを選ぶのは効率的だし、Vlogから始めたい向きなら、長く伸びる延長ロッドやバッテリーセットが一緒になったコンボがとても便利。
Osmo Action 5 Proは、いろんな場面で活躍するアクションカムとして、ユーザーの期待を裏切ることはないでしょう。
なお数あるユーザーレビューの中で、本機にはマニュアルが存在しないとか、日本語で書かれたマニュアルがないとの書き込みがありました。
これは間違いであり、DJIの公式ストアから詳しい日本語マニュアルがダウンロードできますし、下記をクリックしても見ることができます。
●DJI Osmo Action 5 Pro ⇒ 日本語マニュアル
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