動画用として、現在Vlogカメラが、日本だけでなく海外でも話題になっています。
このカテゴリーのカメラはSonyやNikonが先行して、Canonだけが乗り遅れた感がありましたが、最近になってようやく「EOS R50V」として発表されましたね。
実際には、すでにコンデジとして「PowerShot V1」が販売されていますが、低価格のミラーレスカメラとしては本機が初めてです。
また価格的に、Sony VLOGCAM ZV-10ⅡやNikon Z30がライバルとなりますが、この両機に劣らない性能と機能で、十分に対抗できる出来となっています。
で、実物を手にしてみると、手になじんでキットレンズとのバランスが良く、動画よりむしろ写真撮影にしっくり来ることが実感できるのです。
そこで今回は、このEOS R50Vを写真撮影機として見た場合の魅力について、語って行きたいと思います。
EOS R50Vを動画カメラとしてみるとやや不満が

今さら説明する必要もないと思いますが、本機はVlogが撮りやすいように工夫を凝らしたカメラです。
別売りのトライポッドグリップを装着しても、さほど重さを感じさせない重量であることや、あえてEVFを取り去ったデザインも動画向きと言えると思います。
ボディ上部のモードダイヤルを見ると、8ヶ所のポジションがありますが、その内7ヶ所が動画用のポジションであることや、撮影ボタンが通常のシャッター位置の他に、前面にもあることもこの表れですね。
レビュー用動画モードにセットして、ユーザーの顔にピントが合った状態で商品をカメラに近づけると、サッと商品の方にピントが移動する機能も便利です。
ですが、14-30mmキットレンズを装着すると、その長さとボディのスリムさがどうもアンバランスに見えるんです。

つまり、ボディに対してレンズがデカいと言う訳。
横から見ても、結構威圧感があるんですね。
また、このレンズズームは広角寄りと言われますが、画角をフルサイズに換算すると22.4-48mm。
自撮りにはやや望遠寄りであり、撮影者の顔が少し大きく写ってしまいます。
トライポッドグリップを使い、ややカメラから距離を置いて構えれば小さくなりますが、直接カメラを手に取って撮るとどうも分が悪い。
例えレンズの大きさを抑えられなかったとしても、せめて広角側の画角は20mmを下回ってほしかったですね。

あと気になるのが、手持ちで動画を撮ると手振れで画面が “安定しない” こと。
カメラ本体には、動画用の電子手振れ補正機能が付いています。
これにキットレンズを使うことで、光学手振れ補正も加わり “それなりに” 映像は落ち着きます。
ですがそれでもまだ、歩きながらの撮影では細かい振動を感じますね。
アクションカメラと比べると劣るのは明らかで、滑らかな映像を求めれば、ジンバルの使用が必要になるでしょう。
それを思えば、画質が少し低下しても、アクションカメラを使いたくなるのが本音。
レンズ交換式カメラに、アクションカメラの耐久性を求めるのは酷だと思いますが、映像の安定性はもっと追求してほしいものです。
EOS R50Vを写真撮影用に使う意義とは?
参照:Cine D
もしあなたが、14-30mmキットレンズを装着した本機をお店で目にしたら、一度手にしてみて下さい。
きっと、しっくり来ることが分かるのではないでしょうか。
そして写真モードにしてシャッターを押すと、小気味良く切れるのが実感できると思います。

本機は、EVFのあるEOS R50をベースに設計されているので、フォーカス性能は同様にバツグンです。
動画撮影向きカメラだからと言って、写真撮影がもどかしいなんてことはありません。
写真撮影に必須の専用露出補正ボタンはありませんが、メニューでカスタマイズすれば、専用ボタンを持たせることができるんです。
露出補正操作は、メインダイヤルで親指を使いスムーズに行えます。
これは、同じ位置にメインダイヤルがないEOS R50より、便利で使いやすいハズ。
画像形式もJPEGだけでなく、ちゃんとRAWでも撮れますからね。
とにかく14-30mmのキットレンズとの組み合わせは、まるでコンパクトデジタルカメラを操っているかのよう。

またこのレンズはパワーズームを内蔵して、これがスムーズな動きでとても快適なんです。
ズームリングの回し具合で、ズームスピードが滑らかに変化し、微妙なズームアップ・ダウンがしやすい。
私は、写真撮影にはパワーズームは不要だとずっと思っていましたが、このレンズに限って言えばそれは間違いだと思いますね。
しかも、ズームしても全長が変化しないインナーズーム採用のため、ホールディングが崩れなくて楽なんですよ。
また、広角側がフルサイズ換算で22.4mmから始まるのは、スナップ写真を撮る上でとても使いやすい。
APS-C大型センサーを搭載しているのに、コンデジ的な機動性の良さで写真が撮れるのは、とても良い気分になれますね。

ただし、ダブルズームキットに組み合わされる55-210mmはダメ。
このレンズは、フルサイズ換算で88-336mmになるのですが、この超望遠域を、液晶モニターを見ながら手振れせず撮るのは至難の技です。
もちろん、この望遠ズームも手振れ補正機能(IS)は搭載していますが、それでもファインダーなしではプロでも上手く撮れません。
手で持った時の重量バランスも悪いので、このレンズを使いたいのであれば、本機ではなくEOS R50を選ぶべきですね。

もし14-30mm以外に使ってみたいレンズを探すなら、50mm F1.8 STMがおすすめ。
標準単レンズですが大口径レンズなので、バックのボケが効いた写真が撮れるし、暗い場所でもISO感度を上げずに、ノイズない綺麗な画(え)作りが楽しめますよ。
スナップ写真が好きなあなたなら、きっとEOS R50Vに満足感を覚えるでしょう。
動画を撮るならPowerShot V1の方が快適

一方、Canonには動画撮影性能を重視した、PowerShot V1があります。
いわゆるこれは、コンパクトデジタルに区別されるカメラですが、レンズ一体の本体重量がEOS R50Vより軽く、Vlogがより撮りやすいメリットがあります。
レンズは、フルサイズ換算で動画だと17-52mmになっていて、R50Vの22.4-48mmよりかなり広角寄り。
そのため自撮りでも顔が小さくなり、背景を広く写すことができます。
まあ、搭載するセンサーが1.4型と小さくなってはいますが、それでも1.0型の2倍ほどの面積があり、フォーサーズとほぼ同じです。
R50Vと比べてそれほど引け目を感じることは少なく、レンズ開放もキットレンズのF4.5-6.3からF2.8-4.5と明るいことで、暗い場所で高いシャッタースピードが得られます。
V1はR50Vと比べ、さらに強力な電子手振れ補正と光学手振れ補正機能を搭載。
歩きながらの撮影では、こちらの方が、より映像が安定しています。
軽くて持ちやすく、レンズがより広角でしかも手振れ補正もさらに強力なら、こちらの方がストレスの少ない撮影ができるでしょう。

さらに、コンデジながら内蔵マイクも高性能で、外部マイク並みの高音質です。
風切り音を消すモフモフも標準で付属して、より気軽にVlog撮影ができるのは嬉しいですよね。
室内での撮影でも、R50Vと同様のレビュー動画モードがあり、人から商品へのピント移動がサッとできます。
その他細かいことはここでは省きますが、動画撮影するなら機動性の高いV1の方が快適に撮れて、ストレスが少ないと私は断言します。
もちろんコンデジとは言え、被写体にピントが合う速度も正確さもR50Vに劣ることはないので、その点も安心です。
まとめ

EOS R50Vは、EOS Rシリーズで唯一の動画撮影カメラとして登場し、数々の便利な機能が搭載されています。
とは言っても、14-30mmキットレンズを装着すると、手に持った感覚が、スナップ写真を撮るのにとてもしっくり来るんですね。
反対に動画を撮る際は、普通に撮影する限りは特に不便を感じないものの、モニターをレンズと同じ向きにして自撮りすると、ちょっとやり辛いなあと思うんです。
レンズがちょっと大きいことと、広角側がやや望遠寄りになっているのがその原因。

その点PowerShot V1なら、レンズ一体ボディで軽く機動性が高いし、レンズも広角寄りでほど良い画角で自撮りができる。
さらにその上、フォーカス性能などもR50Vに劣ることはない。
これらのように考えれば、R50Vは望遠の必要のないスナップ写真に、V1は機動性の高さでVlog撮影に向いていると言えるでしょう。
Canonブランドが好きなあなたが、動画撮影機選びに迷っているなら、私の考えを参考にしていただければ幸いです。
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