アクションカメラの世界では、360度タイプがこぞってデビューし、今やそれがスタンダードモデルになりつつあります。
しかし、360度のままではなく通常に画面上で再生するには、元データから映像を切り出す必要があります。
そのため高画質で切り出すためには、大容量のデータで撮影しなければならなく、フルHDを超えた4Kモデルが主力ですね。
そんな中で、さらに4Kの上を行く8Kモデルと言うのが存在します。
その中の1つが、中国メーカーの「KANDAO QooCam 8K」です。
4Kでも凄いのに8Kなんて・・・と思うかも知れませんが、360度アクションカメラで高画質の動画を作るには、決して過剰な解像度ではありません。
今回はQooCam 8Kの凄さと魅力を、ユーザーレビューを交えてレビューし、評価してみたいと思います。
KANDAO QooCam 8Kの特徴と使い方に付いて
QooCam 8Kは、360度アクションカメラとしては “世界最小” の大きさ。
と言えサイズは長さ145㎜x幅57㎜x厚み32㎜あり、重さは245gもありますから、一般のアクションカメラと比較すればかなりデカく重いです。
それでも、これまでの業務用8Kモデルと思えば、小さくて軽いんでしょうね。
ではまず、このカメラではどんな映像が撮れるのか、メーカー提供のサンプル動画を2つご覧いただきましょう。
本機はF2.0 画角200度のレンズを前後に配置して、360度の視野をカバーしています。
そして、アクションカメラに多く採用される1/2.3インチより大きい、1/1.7インチ 2000万画素のセンサーを採用。
これで7680px3840p(8K) 30fpsの撮影コマ数、8bitまたは10bitの映像が作れるようにしました。
8K 8bitでも凄いのに、さらに10bitの撮影が可能だなんて、そこまで必要なのか?と思われるかも知れません。
ところが最終的にでき上がる映像は、かなり切り取られたものになるので、画質は当然低下します。
360度ではない通常の映像と比べて、見劣りのしない画質を得るためには、8Kもやむ得ないと言うことになるのでしょう。
実際に8Kで撮影すると本体内部の発熱量は大きくなるので、本機は電源を入れると同時に冷却ファンが回り始めます。
で、ここで心配なのは、こんな大きな撮影データをスマホに送り込んで、まともに編集ができるのかと言うことです。
しかしメーカーによればそれは無用な話で、専用のアプリ “QooCam APP” を使えば大丈夫なようですね。
使い方の解説動画はこちら。
本機からスマホへ送られたデータは圧縮され、スマホの負担にならない状態で編集を行うのですね。
このアプリは特に使いづらいことはなく、他のカメラメーカーのものとインターフェイスが似ています。
最終的にスマホからに書き出されるのは、4Kまでとなっています。
ただしPCを使って編集を行う場合は、話は変わって少々問題です。
一般の動画編集ソフトや専用のソフト “QooCam STUDIO” を使えば、より細かいプロ同様の編集ができますが、これはかなり高性能なPCでないと使えません。
使い方などここでは解説を避けますが、少々パワーがあるくらいのPCでは、書き出しに非常に時間が掛かります。
場合によってはエラーが起こって、作業に支障をきたすことでしょう。
一般のユーザーなら、パソコンで編集するのはあきらめて、イージーにスマホで編集するのが無難だと思います。
さてQooCam 8Kの本体に話を戻しますが、おもて面には中央にシャッターボタン、右に電源ボタン、左側に素早くメニューを呼び出すクイックボタンが付きます。
内蔵マイクはモノラルとなっていますが、Φ3.5の外部マイク端子が付いているのでより良い音で録音が可能です。
内蔵バッテリーは3000mAhと他機と比べて大容量ですが、8Kは電力を食うのでこれくらいは必要でしょう。
なおバッテリーは交換できません。
連続撮影時間は、公称で約90分となっています。
メモリーは内蔵のものが64GBありますが、SDスロットを装備しているので、256GBまでのマイクロSDカードが使用できます。
詳しい仕様に付いては、こちらをご覧を。⇒ QooCam 8K製品仕様
それから本機はボディが大きいことを生かし、2.4インチの大型液晶モニターを搭載しています。
タッチパネル式を採用し、上下左右に指でスワイプすることで、各メニューが現れるようになっています。
スマホを使わなくても、本体だけで設定操作ができるのは便利ですね。
簡単な設定のしかたが公開されているので、こちらで確かめていただきましょう。
細かい機能まで設定が可能なので、最初は戸惑うかも知れませんが、慣れればサッと操作できるのではないでしょうか。
項目が上手くレイアウトされており、もたつくことはないと思います。
なおモニターは日本語にも切り替えられるので、安心して操作することができますよ。
では今度は本機を使って撮影した、あるユーザーの動画作品をご覧下さい。
同時に画質のほども、チェックしてみて下さいね。
(画面を動かして、360度を体感することができます)
協力 360 Labsさん
次に、すでに使用中のユーザーの皆さんのレビューを集めました。
QooCam 8Kの使い勝手などを確認してみましょう。
KANDAO QooCam 8Kのユーザーレビュー
★「デザインには重厚感がある。シンプルでとても分かりやすいので、結構気に入っている。画質は8Kをうたうだけあって見事なものだ。民生機で8Kが6万円台なら文句は無い。シロウトなので良く分からないが、室内撮影ではノイズも感じられなかった。あとまあ、編集にはPCパワーが必要だ。8Kだからね。」
★「色々なメーカーの360°カメラを使用してきて、本機で13台目だ。8Kそれ以上で撮れるカメラがあるが、機能が良い分、本体が大きくなる。QooCam 8KはTheta Z1より少し大きいくらい。iPhone Xや11と同じくらいの大きさで8K撮影ができ、PCソフト・スマホアプリでの編集加工も楽にできる。構造上、防滴防塵ではないので、注意が必要だ。(オプションの防水ケースを買えば別)」
★「レンズ正面下辺りに太陽光が屈折して、三日月状の白いものが写り込んでいた。カメラはフリックなどを利用して調整するので、水中ではそういった操作は利用できない。プリセットを登録しておいて切り替えるのみとなる。意外と大きいので、素潜りだとちょっと邪魔だ。」
★「8K 30fpsで撮影できるので、熱は持つ。4K 120fpsでも撮影できる。その分、他の機種にはないファンが内蔵されている為、音があるが、他機種と違い熱暴走で止まることはない。私はバイクなどで使用するが、2020年の真夏日に走行風が熱気であっても問題なく使用できた。QooCam 8Kは動画向きで、手振れも強力だ。」
KANDAO QooCam 8Kの評価
ここからは以上を踏まえ、私がQooCam 8Kを評価してみましょう。
KANDAOと言うメーカーは、まだ日本では割となじみが浅く、Insta360と比べれば地味なイメージがあります。
だからと言う訳ではありませんが、製品にもやや遊び心が欠けている印象です。
ですが、QooCam 8Kは非常に真面目に作られていて、できるだけ低い予算で8K動画を製作したいユーザーには、一定の支持を受けることでしょう。
本機は全体に渡り使いやすく、高機能でありながら比較的容易に操作できますが、ただスマホを用いた編集の場合に限られていると思います。
本格的な8K編集用として、専用編集ソフトも用意されていますが、相当なPCパワーが必要で一般ののユーザーには敷居が高い存在です。
性能も機能も優れたQooCam 8Kですが、気軽に本格的な8K動画製作ができるは言えず、より丁寧なメーカーのサポートが必要となりますね。
現在のところは、動画製作にこだわるユーザーに向けた、マニアックな存在のアクションカメラであることは確かでしょう。
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