手軽に安定した動画を撮影する手段として、スマホをジンバルに装着する撮影方式が人気です。
いつものスマホに、もう1つジンバルを持ち歩くだけだし、価格もお手頃なのも人気の理由でしょう。
ただこの組み合わせは、撮影時のセッティングが面倒で厄介。
もし撮影中に電話が掛かって来たりした時に、いちいち取り外すのも大変です。
そこで考えられたのが、ジンバルにカメラを搭載した、ジンバルカメラと言う新しいアイテム。
面倒なセッティングが一切なしで、バッグから取り出したらすぐに撮影をスタートすることができます。
そんなジンバルカメラに、大きなモニターを搭載したモデルが登場しました。
それが「MOZA MOIN Camera」。
この分野では、すでにDJI POCKET 2が幅を占め売れ筋になっていますが、そこにMOZAが殴り込みを掛けた感じですね。
今回は、このMOZA MOIN Cameraがどれほど実力を持つのか、ユーザーレビューを交えながらDJI POCKET 2と比較検証、そして評価してみたいと思います。
MOZA MOIN Cameraの特徴
まずはメーカー提供の動画で、MOZA MOIN Cameraのプロモーションをご覧いただきましょう。
これで、おおよその商品概要がお分かりになると思います。
MOZAはジンバル専門メーカーとしてすでに有名ですが、カメラそのものには参入してはいませんでした。
しかし、このところのジンバルカメラの人気にあやかって、同社も販売を始めたと言う感じですね。
おおざっぱに特徴は4つ。
1つ目は他機にはない、2.45インチもの大きな液晶モニターを搭載していること。
そもそもアクションカメラは、ウェアラブル性を高めるためボディを小さくする必要があり、機種によってはモニターを小さくするどころか、搭載すらしていません。
それを本機では逆に、ビデオカメラのような大型モニターを与えることで、しっかり画面を見ながら撮影できる訳です。
これは撮影者に取って非常に有効なことで、フレーミングに気を配りながら安定した映像が撮れるのは、作品作りに大きな力を発揮しますよね。
これを三脚を用いるのではなく、強力なジンバルにより、手持ちでできるのは楽ちんなことです。
2つ目の特徴は、120度の超広角レンズを採用していること。
これは35㎜フィルムカメラ換算で、14㎜もの画角に相当します。
このおかげで自撮りをする際、周囲の様子も入れながら、適度な大きさで自分の姿をフレームインできるんですね。
自撮りシーンの多いVloggerに取っては、非常に重宝することでしょう。
3つ目は、操作がシンプルなこと。
本機のボディには物理的なボタンが、電源のON/OFFと撮影のON/OFFの2つしかありません。
撮影の都度あれこれ設定するのではなく、とにかくカメラ任せで撮りたいユーザーには、大変有難いインターフェイスです。
もちろん設定にこだわって撮ることも可能なので、その場合はタッチパネルにて操作します。
専用のアプリをスマホにダウンロードすれば、スマホで設定操作したり、撮影後の簡易編集もできるようになります。
4つ目の特徴は、本機の日本正規代理店が、大手メーカーのケンコー・トキナーとなっていること。
本体に不具合が起こった時のアフターフォローには、輸入品は一抹の不安が付きまとうものです。
それをカメラ好きな人なら、誰でも知っている企業が行っているのは、とても安心感がありますよね。
購入したまでは良いが、製品が使いものにならずどうしようもない場合でも、何とかしてくれることでしょう。
MOZA MOIN CameraとDJI POCKET 2を比較
DJI POCKET 2
ではここで本機MOZA MOIN Cameraと、ジンバルカメラとして人気の高いDJI POCKET 2を比較して、その仕様・性能の違いを並べてみましょう。
まず画質を比べてみると、最高画質はPOCKET 2の4K 3840x2160p 60fpsに対し、MOIN Cameraも4K 3840x2160p 60fpsでどちらも同じです。
スローモーションはPOCKET 2が、1080pで4倍(120fps)と8倍(240fps)のスピード。
対してMOIN Cameraが、1080pで4倍(120fps)と6倍(200fps)のスピードです。
両機ともそれほど変わりません。
最大静止画サイズはPOCKET 2が9216x6912pで、MOIN Cameraは4000x3000ですから、ここは本機の方が負けています。
カメラの性能を比較するのに相応しいセンサーは、POCKET 2が1/1.7インチで有効画素数は6400万画素。
対してMOIN Cameraは、センサーが1/2.3インチと大きさが半分ほどで、センサーの有効画素数も1200万画素と少なく劣っていますね。
ただしレンズに関しては、POCKET 2が明るさF1.8で画角が93度(35mm換算で20㎜)ですが、MOIN CameraはF2.2・120度(35mm換算で14㎜)。
明るさはともかく画角はMOIN Cameraの方が広角で、周囲をより広く収めることが可能です。
液晶モニターは比較するまでもありませんが、2.45インチの大型を搭載しているMOIN Cameraの圧勝でしょう。
POCKET 2は本体グリップに内蔵するタイプなので、恐らく1.0インチほどしかなく、正直非常に見にくいです。
本体のサイズはモニターが大きいだけに、MOIN Cameraの方が太くて大きく、重量もPOCKET 2が117gなのに本機は175gと重いです。
操作性はどちらもタッチパネルを持ち便利ですが、大型モニターを持つ、MOIN Cameraの方がやりやすいのが想像できるでしょう。
ただスクロールする時の動きがカクカクするので、その分損をしていると言えます。
録音に関しては、どちらもステレオで録音が可能。
ですが、POCKET 2はオプションでワイヤレス外部マイクが使えるのに、MOIN Cameraは内蔵マイクのみで外部マイクには対応していません。
これも少し惜しいところです。
それとPOCKET 2は底部に三脚穴があり、ミニ三脚等を装着できます。
MOIN Cameraは残念ながらできません。
でも本機は胴体が太いので、自立させることが可能。
MOIN Camera用保護・拡張ケース
それに、オプションでアルミ製の保護・拡張ケースがあり、これを装着することで、衝撃に強いボディにできるのは良いですね。
このケースには三脚穴やアクセサリーシューが付き、三脚に立てたり、あらゆる場所へ設置できるアタッチメントを取り付けられます。
便利なので、ぜひ一緒に購入したいアイテムです。
保護・拡張ケース装着イメージ
では、実際の画質のほどはどんなものでしょうか?
本機を使って作品としたユーザーの動画がありますので、ご覧いただきましょう。
協力 monoffee / キクタさん
いかがでしょうか?
絶対性能・仕様ではPOCKET 2に負けているMOIN Cameraですが、画質そのものは全体的になかなか良いと感じさせますね。
使い方次第で、POCKET 2に遜色のない作品ができるのではないでしょうか。
価格的にも、本機はPOCKET 2よりも1万円ほど安く手に入るので、その点も購入理由の1つになると思います。
では別のユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を持っているのでしょうか?
いくつかレビューを集めましたので、次の頁で画質のことと共に、使い心地を確かめてみて下さい。
MOZA MOIN Cameraのユーザーレビュー
★「可愛いし小さいし、液晶も見やすいし、オシャレでジンバルカメラが初めてでも取っつきやすいデザインだ。アクションカメラを使っていた勢なので、ブレも画質も問題なし。1200万画素はYouTubeでもかなり使えるレベル。測光が迷いすぎる点が困る。操作性はボタン2つでわかりやすい。タッチパネルをフリックすることでメニューを開いたり、とても直感的に操作できるのが便利。多機能なものはほぼなし。でもこれはこれで良い。一番のウイークポイントがマイクだ。集音が弱すぎる。大きい声で喋らないと拾わない。」
★「やはりモニターが大きいのは良い。ない物ねだりでは、外部マイクが使えない。マイクロSDが下側でカバーもないので、落下不安なので星一つ減点だ。」
★「モニターが大きかったので購入してみたが、なんだかな~~~。ほかのポケットジンバルカメラのように、画面スライドでジンバルの向きを変えたりする機能がなく、単にモニターを付けただけ。本体がその分大きくなりポケットに入れにくく、逆に今までの物のように手軽に使えなくなった。」
★「軽くて持ち運びに便利なサイズ感で、操作もシンプルで簡単だ。ラフな気持ちで撮影するには良い商品かも知れない。正直、音質や画質は高性能ではないが、値段を考えれば妥当なレベルなのかも。メジャーで売れ筋の商品を避けてあえてマイナーを選ぶなら、こういうのも良い気がする。何故なら売れ筋でメジャーな商品は、高額になりがちだからだ。」
MOZA MOIN Cameraは総合力ではDJI POCKET 2に及ばない
さてここでは、私がMOZA MOIN Cameraを評価してみようと思います。
総合的に評価すれば、現在の時点では、本機はPOCKET 2には及ばないでしょう。
POCKET 2と比較して、センサーが小さい分画質的に不利だし、録音性能がよろしくありません。
音が小さく録音されるし、グリップする手のこすれる音が気になるのです。
せめてマイクの位置を上の方に持って行くか、外部マイクに対応させる必要があるでしょう。
しかしポケットサイズのカメラながら、大型モニターを搭載したことは、非常に評価できると思います。
POCKET 2はスムーズなタッチパネルであるものの、絶対的なサイズが小さいことで、やや設定がやりにくい欠点があるのです。
表示が小さいことは、老眼で、ものが見にくい人に取っては、扱いづらいカメラとなりますからね。
その点、MOIN Cameraなら大きくて使いやすいし、機能がシンプルなことでも、ジンバルカメラ初心者にはおすすめとなるでしょう。
あまり多機能を求めず、手軽に扱えることを重視する人なら、比較的安い価格にも魅力を感じるに違いありません。
動画カメラ上級者には、POCKET 2を選んだ方が不満が少ないと思いますが、一般のVloggerなら、MOZA MOIN Cameraも買いであることは確かでしょうね。
または
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