カメラが動きながら撮影する動画は、圧倒的にアクションカメラが有利と思われていたものが、近頃ではそうとも限らなくなりました。
本来はカメラではない、スマートフォンの登場によるものです。
そして、そのスマホの高性能化で、雨や衝撃にも強いモデルまで生まれています。
この状況を反映して、ジンバルもミラーレスカメラやアクションカメラ用だけでなく、スマホにも対応する製品を目にするようになりました。
そんな中で手軽に扱えるジンバルが登場、話題になっています。
話題の製品の一例としては「DJI OM 4」があります。
アクションカメラを用意しなくても、スマホで使えるジンバルのDJI OM 4を、今回、ユーザーレビューを参考にしながら検証・評価してみましょう。
DJI OM 4の特徴とは?
似たようなジンバルは他にもありますが、OM 4の大きな特徴は、付属の磁気スマホクランプや磁気リングホルダーで、スマホの着脱をワンタッチにできることにあります。
面白い被写体を見つけた時や、セッティング完了後に電話が鳴った時、サッとスマホを着脱できて便利です。
磁力はかなり強いので、クランプやホルダーにきちんと固定すれば、撮影中に外れてしまうことはありません。
事前に専用アプリをスマホにインストールすれば、本機のグリップのスイッチやレバー操作で、スマホを制御することができます。
3軸スタビライザーで、ブレのないヌメッとした映像が撮れるばかりでなく、「ActiveTrack3.0」を使い、狙った被写体を自動的にフレーム内で追い続けられるんです。
また自撮りする時に便利なのが、「ジェスチャー・コントロール」でスマホの遠隔操作ができる機能。
YoutuberやVloggerには非常に重宝するし、皆で集合写真を撮る際にもセルフタイマーを使わずに済みますね。
さらに時間の経過を、映像で細かく残せるのも本機ならでは。
単に時間の経過を表現するだけなら、スマホのタイムラプス機能を使えばできるので、ジンバルなど必要ありません。
しかしOM 4を使って撮影すれば、スマホを自動的に少しずつパンさせられるので、タイムラプスにカメラの動きを加えたモーションラプス映像が撮れます。
これとは違い、本機を手に持って動きながらタイムラプス機能を使えば、より印象的なハイパーラプス映像ができてしまいますよ。
その例をあるユーザーの動画でお見せしたいと思います。
協力:Maru’s hobby channelさん
これは手ブレを効果的に吸収する、ジンバルだからこそできる技と言えるでしょう。
その他にも、本機を利用しないと撮影不可能な技法がいくつもあり、スマホで撮ったとは思えない動画が色々楽しめて面白いです。
DJI OM 4とOsmo Mobile 3を比較してみると
DJIには今回のOM 4の他に、Osmo Mobile 3がラインナップされています。
Osmo Mobile 3の方がデビューが早く、品番を見れば実質OM 4の旧型と認識できると思います。
では両機の性能・機能はどう違うのでしょうか?
比較してみたいと思います。
最大の違いはやはり、OM 4ののマグネット式スマホ着脱機能にあるでしょう。
前もって磁気クランプ・ホルダーをセットしておけば、簡単にスマホをジンバルに着脱できるのは非常に便利です。
スマホのセットが完了した後で電話が鳴ったら、ジンバルから外すのは意外に面倒。
OM 4はパッとスマホを外して、サッと電話に出ることが可能です。
電話が終わったら、再びカチッと取り付ければOK。
取り付けるたびに、セットアップする必要はありません。
Osmo Mobile 3は普通のクランプを使っているので、電話が終わってクランプに取り付けたら、左右のバランスを取らないといけないのです。
このひと手間がいるかいらないかで、随分使い勝手が変わるのではないでしょうか?
ただその他の部分に関しては、それ程大きな違いがある訳ではありません。
デザイン・大きさはほぼ同じ。
重さに関しても、OM 4の方が本体はやや軽いものの、Osmo Mobile 3にはない磁気クランプ・ホルダーがあることで、トータルで見れば両者の重さはほぼ同じです。
あと性能的には、内蔵しているスタビライザーのモーターは、OM 4の方が強力になっています。
そのため使えるスマホの重量が、60gほど重いモデルでも使えます。
撮影技法では、同じ人物が分身して画面に登場する、「分身パノラマ」ができるのも新しいですね。
三様のポーズを取った3人のあなたを、1つの画面に入れることができるんです。
しかしこれらを見ても、OM 4がOsmo Mobile 3の全くの生まれ変わり、と言える程の違いを感じることはできません。
マグネット着脱にこだわらないユーザーなら、少しでも安いOsmo Mobile 3を購入すると言う選択肢もあるでしょうね。
DJI OM 4の使い方
OM 4に限らず、ジンバルはスマホと同期させるために、購入したら必ず初期設定(アクティベーション)をしなければなりません。
本機には日本語マニュアルが付属しているのですが、これには初期設定の方法は載っていないので、下の動画を見ながら行うと良いでしょう。
この動画は、あるOM 4販売店のものですが、分かりやすく設定方法を公開しています。
協力:Polaris Exportさん
初期設定が終了したらいよいよ撮影に入りますが、メーカーからは「DJI OM 4チュートリアル」が公開されています。
ここでは本機の代表的な機能、「ActiveTrack3.0」や「タイムラプス」「分身パノラマ」などの使い方を動画を交えて解説。
OM 4の機能を余すことなく使うなら、ぜひご覧になって下さい。
そして次ですが、OM 4に興味を持つあなたに、特殊技法で撮影された映像をもう1つお見せしましょう。
DJIクリエーターを名乗る、あるYoutuberさんのショートムービーでご覧いただきます。
協力:Ussiy Filmsさん
スマホを使ったと思えない迫力ある動画が、本当に撮れることが分かりましたか?
画質設定は4Kでなくとも、1080p/60fpsで十分に高画質で撮れると思います。
では今度は、すでに購入したユーザーの皆さんは、本機の使い心地にどんな感想を持っているでしょうか?
ユーザーレビューを集めたので、次の頁で確かめてみて下さい。
DJI OM 4のユーザーレビュー
★「慣れないと難しいかも知れないが、画期的なアイテムとなる事は間違いない。SNSで他とは違う映像をシェア出来ることを約束してくれる商品だ。ただひとつ言わせていただくとすれば、本体の色が白・グレーに近いため手垢や汚れが目立つ。マグネット部分がバッグの中で、他機器に影響しないかも少し不安だ。」
★「まず専用アプリを使って、スマートフォンとBluetooth接続するが、このアプリの出来がすごく良い。2秒~5秒くらいの短い動画を、何個か撮って作ってくれるストーリーモード。バラバラに撮った動画を、音楽に合わせて繋げて編集してくれるAI編集。初心者でもプロのように撮影することができる。この価格でここまでの機能は、まだ他には無いと思う。」
★「背面にマグネット?金属?を取り付けるタイプだと、車のマグネット式携帯ホルダーに干渉するので止めた。バインドタイプにすると音量ボタンに干渉しやすくなるので、若干ずらさないとイケなくなる。また携帯カバーを利用している場合は、バインドタイプの溝にキレイにハマらない。なので落下の不安があり、激しい動作を伴うような子供とかペットとかの撮影では、気を付けなければならない。自撮りとかでは(ジェスチャー・コントロールで)撮影開始・終了が離れていてもできるのと、画面固定ではなくて対象車を追従してくれるので、YouTube撮影とかインスタライブとかする方にはお勧めできると思う。」
★「性能はすごくいいと思う。2週間くらい使用したが、いろいろできていいと思う。ただ本当に必要かと聞かれると、必要性はない。仕事や趣味に使う人にはおすすめだが、ただ紹介を見ていいと思って欲しくなって、詳しい目的はない人にはおすすめできない。最近のスマホも手ぶれ補正機能を強化してきて、一般に使う分には十分だと思う。」
DJI OM 4の評価
カメラジンバルは、ほぼ100%中国のメーカーが占めていますが、その中でもDJIは特に信頼のおけるメーカーです。
その中でOM 4も低価格でありながら、確実な動きを提供する製品として、特に推奨されるもの。
ただジンバルは、モデルにより大きな特徴を有するものではなく、いかに軽く畳めば小さくなり、確実にスタビライジングするかがポイントになりますね。
その点、本機は十分合格に達していると思いますが、Osmo Mobile 3と比較して、決定的な違いが見い出せないのが惜しいと思います。
マグネット式のワンタッチスマホ着脱は、確かに便利でしょう。
しかしその機能にさえこだわらなければ、すでに価格が安くこなれているOsmo Mobile 3でも魅力十分です。
せめてOsmo Mobile 3にも欲しかった、防滴機能がOM 4にあれば、違いは決定的になったのではないでしょうか?
現在Osmo Mobile 3を愛用しているユーザーは、新機種だからと、あえて買い替えを考える必要はないでしょうね。
DJIには「DJI CARE REFRESH」と言うサービスがあり、これを利用すれば雨に濡れて故障しても、どの機種でも安い料金で新品と交換してもらえます。
これはメーカー保証の延長版みたいなもので、ヘビーユーザーなら利用する価値はあると思います。
でもそれより製品そのものが、水やホコリに強い設計になれば、魅力はより増すのではないでしょうか。
あと別のユーザーレビューで、アプリのDJI mimoが4Kに対応していないと言うのがありました。
これ実はiphoneであれば、4Kで撮影が可能とのこと。
Androidの一部のモデルを除いては不可能、と言うのが正解です。
今後のアップデートで、多くのAndroid機にも対応できると良いですね。
いずれにせよOM 4は、ジンバルとして十分魅力的であることは確かです。
初めてジンバルを購入するユーザーには、おすすめなことは間違いありません。
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