最近のスマートフォンの高性能化は目覚ましく、動画機能の画質はそれこそ本格的なビデオカメラに匹敵するほどですね。
その高画質を生かすためには、ブレを防ぎ安定した映像を記録できることが必須。
これに応えるように、スマホ専用のジンバルも進化しつつあります。
ドローンで人気のメーカー、DJIから誕生した新しいモデル「OM 5」もその1つ。
旧モデルOM 4がデビューしてから、わずか1年ちょっとの月日を経ての登場です。
今回はこの新しいDJI OM 5の魅力はどこにあるのか、ユーザーレビューを交えながら検証、そして評価してみようと思います。
DJI OM 5の特徴とOM 4との比較
OM 4と比較してOM 5の新しいところは、パッと見では、グリップに延長ロッドが新設されたことです。
これを伸ばすことで、215mmスマホを高くして大勢で自撮りしたり、スマホを下に構えてローアングル撮影が容易にできます。
また本体が1/3ほど小さくなり、重量も390gから292gと100g近く軽くなりました。
それでいて対応するスマホの大きさや重さは変わりません。
スマホの重量が170g~290g・厚さは6.9㎜~10㎜・幅は67㎜~84㎜なら、iPhone/Android問わず対応します。
ただし重量や大きさに問題がなくても、機種によりボタンの位置が特殊だったり、SONY XPERIAだと動かせない場合があるようです。
それとボディが小型化されたことに従い、内蔵バッテリー容量が低下しています。
OM 4が2450mAhだったのに対し、OM 5では1000mAhと半分以下です。
駆動時間が15時間から6.4時間と、大幅に短くなったのは少し残念ですね。
しかし、対応する新しい専用アプリのDJI Mimoはなかなか優れています。
指定した被写体をあらかじめロックオンして、その動きをカメラが追う機能のActive Track。
これが3.0から4.0へとバージョンアップしました。
被写体のより速い動きにカメラが追えるよう、OM 5本体を機敏に制御します。
加えて新機能のShot Guideで、どうやったらこんな映像が撮れるのか、スマホのモニター上で解説してくれます。
ジンバル初心者には、有難い機能と言えるでしょう。
便利な一般機能として、ハンドジェスチャーで撮影の開始や終了を操作する機能もOM 4から継承、離れた場所からOM 5を動かしたい時に非常に便利に使えます。
ジンバル機能として必須な、タイムラプス・モーションラプス・ハイパーラプスももちろん搭載。
カメラを回転させ、映像にスピン効果を与えるスピンショットも可能です。
3軸手ブレ補正機能の滑らかさは相変わらずですが、OM 5はより高性能なモーターを搭載して、素早いレスポンスを発揮してくれますよ。
オプション扱いになりますが、自撮りする際に顔を明るく照らしてくれる、補助ライトを内蔵した磁気クランプも新規に用意されました。
Vloggerに取っては、嬉しいアクセサリーと言えるでしょう。
ちなみに、この磁気クランプはOM 4やOM 3にも使用可能です。
さらに軽量小型化された上にグリップにボタンを1つ追加し、機能の切り替えが容易になって、全体的に扱いやすさが向上しています。
本機はジンバル初心者には操作をたやすく、ベテランには直感的に扱える、進化したスマホ専用ジンバルです。
さて、本機OM 5を使うことによって、どれくらい安定した映像が撮れるのか気になることでしょう。
特に延長ロッドを伸ばした状態で撮影した場合の、ブレ具合が心配になりますよね?
ここでロッドを伸ばした状態で歩き撮りした、あるユーザーの動画がありますので、ご覧になってみて下さい。
協力 橋本康二さん
いかがですか?
このように普通に歩いて撮る限り、ロッドを伸ばさないのとほぼ変わらない映像が得られるようですね。
では次に別のユーザーの皆さんは、本機にどのような感想を持っているのでしょうか?
レビューをいくつか集めたので、次の頁で確かめていただきましょう。
DJI OM 5のユーザーレビュー
★「OM 4/OSMO MOBILEのゴツゴツしたスリムなデザインへと、畳み方もかわりすっきりした。操作性としては、注目すべき回転ボタンが追加された。スマホの縦横・前後カメラの切り替えはわかりやすい。しかし、ジンバルのチルト稼動角が狭すぎる。伸びる改良で調整して使えるが、三脚で固定するとインカメラの上向きは水平以上は動かない。持つ角度でなんとかなるので最悪という感じではない。バッテリの容量低下はやはり残念だ。モバイルバッテリで改善はできるが・・・。総評として、バッテリの低下は動作範囲に若干残念なところはあるが、スリムなデザインや軽量化、自撮り棒のように伸ばせる角度調整も手前は90度などよくなった点もあり、おおむね満足している。」
★「初めてジンバルなるものを購入し、iPhone Xと組み合わせて使っている。小さくて軽いね!これなら旅行や普段使いでも苦にならない。OM 4と比較すると可動域が狭くなってバッテリーの持ちも悪くなったようだが、私はOM 5にして何も後悔していない。可動域は自分が(手が)少し動けば良いだけだし、バッテリーは1日6時間持てば充分。不足ならモバイルバッテリーや車で充電すればよろしい。それよりも、やはり小型・軽量は正義だ。」
★「小さくてコンパクトになったのはグッドポイントだと思う。但し伸ばして使うとかなり重みを感じるので、三脚を閉めて差し込み両手で持つ必要が出てくる。またモーターが熱を持つと画面に表示が出てダウンするので、状況によっては短時間しか使えない事があった。iPhone12 promaxでのズームは、広角・標準・望遠レンズの切り替え時に画面が一旦途切れる感じが有る。モードによっては、撮影中にレンズの切り替えができない等、注意点も有る。」
★「軽量・小型が一番気に入って買ったが、自撮り棒的な伸びる棒は角度が変えられるのがいい。上方への可動域が狭いのと、Mimo使用時の速度が速い遅いの2段階なことに不満あり。iPhone 13PROの重量に対してアームやモーターが少し頼りなく感じるが、問題なく作動している。シネマティックのような機能がMimoにあったり、超広角レンズが使えるように改善いただければ最高だ。」
DJI OM 5の評価
DJIのジンバルは完成度が高く信頼性ある製品が多いですが、あえて弱点を述べれば、小型・軽量の点で他製品にかなわないところがありました。
特にスマホ専用ジンバルとなれば、この2点を見逃す訳にはいけません。
それがOM 5となって、ようやく最小・最軽量を実現したと言って良いと思います。
また本機はグリップに延長ロッドを内蔵して、少し大ぶりな自撮り棒感覚で使えるのは、なかなか良いアイデアですね。
小さくなった分、駆動時間が短くなってしまいましたが、そもそもスマホもそれほどバッテリーの持ちが良い訳ではありません。
スマホを使って動画を撮るのであれば、6時間程度持てば合格と言えるのではないでしょうか。
ただ対応するスマホに付いては、前述の通りiPhoneはほぼ問題なさそうですが、Androidは使えないモデルが少くなくとも存在するようなので、本機を購入する際は注意が必要でしょう。
それから一般的にジンバルは精密製品と言うことで、不具合が出ることが他のカメラアクセサリーより多く衝撃や水にも弱いです。
そこでDJIはその対策として、OM 5に限らずDJI Refreshプランを設け、水没・衝突・物損などをカバーするサービスを行っています。
いわゆる商品の延長保証みたいなものですね。
1年版と2年版があり、1年版では+1000円ちょっとで、2回までの新品交換に応じるのだとか。
他社にはないサービスなので、ハードにジンバルを使うユーザーなら、このプランを利用するのも良いかも知れません。
DJIはドローンでつちかったジャイロ技術を、ジンバルで巧みに応用しているメーカーで、初期不良も他社と比べ少ないことで知られています。
だからと言ってOM 5が完璧な製品とは申しませんが、小型・軽量であることに加え、故障に関しても安心して使えることに、本機を選ぶのも良いのではないでしょうか。
※OM 5はOsmo Mobile 6に進化しました
または
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