『ソニー VLOGCAM ZV-E10』レビュー評価:ZV-1とどちらが買いか比較してみた!

 

YouTubeなど動画サイトへの投稿は、アクションカメラやスマホで撮影されることが多いですが、画質を優先したミラーレス一眼カメラも徐々に使われるようになりました。

ただミラーレス一眼カメラで動画を撮るとすれば、アクションカメラと比較して、かなり機動性が低下するのはまぬがれません。

 

そこで、画質と機動性を兼ね備えたモデルとして、コンデジをベースにしたソニーVLOGCAM ZV-1のようなモデル登場、人気を博しています。

ところがレンズ交換のできないコンデジだと、シチュエーションによっては、広角側や望遠側映像に不満が生じることがありますね。

 

するとしばらくしたら、Vlog用レンズ交換式ミラーレスカメラLumix DC-G100V-Kが登場して来ました。

ならば今度は、これに対抗するカメラもきっと現れるはずと思っていたら、案の定、姿を現しましたねぇ。

 

それが「ソニー VLOGCAM ZV-E10」なんです。

今回はVLOGCAM ZV-E10の魅力に付いて、ユーザーレビューを参考に、ZV-1と比較しながら検証・評価してみたいと思います。




 

VLOGCAM ZV-E10をレンズ交換式にしたかったソニーの理由とは?

 

 

まずはメーカー提供の、プロモーション動画をご覧いただきましょう。

この動画で、VLOGCAM ZV-E10の商品イメージが掴めると思います。

 

 

冒頭で記述したように、YouTubeなどに動画を投稿するなら、アクションカメラやスマホを使って撮影できますね。

ところが最近のYouTuberさんなどに画質にこだわる人が増え、彼らはミラーレス一眼カメラを使うようになりました。

 

とは言ってもこのようなカメラは画質は最高ですが、カメラ本体・レンズともども大きく屋内で使うには問題がないものの、屋外で動画を撮るには機動性が悪いです。

屋外で自撮りなんかしようとすれば、撮影が困難なのは想像が付くことでしょう。

 

 

そこで誕生したのが、VLOGCAM ZV-1

ミラーレス一眼よりセンサーが小さくなるものの、一般のアクションカメラやスマホより大きな1インチを搭載して、高画質と機動性を両立しました。

 

ところが後に、これで収まらない事態が起こってしまいます。

それが、Lumix DC-G100V-Kの登場なんです。

 

 

この機種も、Vlog撮影に適したカメラとして開発されました。

ZV-1と違い、レンズ交換式のミラーレスモデルとしたことで、撮影の幅がより広がったんですね。

 

これを、ライバルのソニーが見逃すはずはありません。

すぐに開発に着手して、α6400をベースに本機ZV-E10の登場となった訳です。

 

本機の機能の中で、Lumix DC-G100V-Kを意識したところがあります。

それは、撮影を始めると液晶モニターのフレームが赤く光るところ。

 

 

カメラが撮影中であるかどうか一目で分かる機能ですが、これを先に搭載したのはLumix DC-G100V-Kの方なんですね。

これだけを見ても、ミラーレスVlogカメラをソニーも手掛けたかったことが、お分かりになるのではありませんか?

 

VLOGCAM ZV-E10とVLOGCAM ZV-1を比較

 


参照:デジカメWatch

 

VLOGCAMシリーズで、ZV-E10より前に発売されたのがZV-1なのは前述の通り。

ZV-1は、コンパクトデジカメのRX-100シリーズをベースにしており、ZV-E10よりややボディが小型です。

 

参照:デジカメWatch

 

センサーもZV-E10のAPS-Cとくらべ、ZV-1の方が小さくなっています。

ただZV-1はレンズが交換できないとは言え、35ミリ換算で24~70ミリ f1.8~f2.8と明るさでは高性能。

 

自撮りが多くても屋内・屋外問わず十分に使えるし、センサーのサイズもコンデジとしては大型です。

ZV-E10の場合、標準レンズキット付きモデルだと、35ミリ換算で24ミリ~75ミリとほぼ同じ。

 

しかし、明るさがf3.5~f5.6と暗いんですよね。

センサーが大きい分画質には有利とは言え、背景をボカしたりシャッタースピードをかせぎ手振れを防ぐ分には、ZV-1と比較してどうかな?と思うんです。

 

なので、ZV-1をスルーしてZV-E10を買うことを考えるのなら、より大口径(明るい)レンズか、もっと広角か望遠のレンズをチョイスすることを考えるべきでしょう。

使い勝手を見ると、ZV-E10の方が少し良くなっています。

 

例えば電源スイッチを、ZV-1の押しボタンからスライドスイッチに変更。

押しボタンはカバンの中で誤って押される心配があり、スライド式の方が安心と言えるでしょう。

 

 

またZV-E10α6400がベースになっていることで、同じサイズのバッテリーが搭載されています。

ZV-1RX-100シリーズのバッテリーなので容量が少なく、その分撮影できる時間がZV-E10より短いです。

後は機能的にそれほど大きな差はないので、両機を比較すれば、違いはレンズが交換できるかできないかに尽きると思います。

 

VLOGCAM ZV-E10の実際の画質

 

 

ではここで、実際にZV-E10で撮った映像の画質をご覧に入れましょう。

あるユーザーの方が撮った、鉄道に乗車した際のものです。

 

レンズをキットレンズの16~50ミリ f3.5~f5.6ではなく、恐らく12ミリ~24ミリ f4を使っています。

写りそのものや、手振れ補正能力に注意しながらご覧下さい。

 


協力 ドリチソ/週末セレブ旅行記さん

 

いかがでしょうか?

高性能なレンズを使っているだけに、写りはさすがに高画質ですが、手振れに関しては普通かな?と言った感じですね。

ジンバルを使用した時のような滑らかさはありません。

 

それでは他のユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を持っているのでしょうか?

次の頁で画質を含め、使い心地等を確かめていただきましょう。

 

VLOGCAM ZV-E10のユーザーレビュー

 

★「軽くて持ち運びもしやすくとてもいい感じだ。また値段的にも高価な方ではないので、普段遣いでかばんに入れたままにしたり、保管方法もそんなに気にかけることもしないでいいので、いい感じだ。一番いいなと思ったのは、シンプルなボタン設計だろうか。電源入れる→録画ボタン押す→撮るというような使い方ができて、プロの機種みたいにこだわって撮りたい人が使うものでもないので、本当にシンプルに撮るといった感じでできる。悪い点はテンポの悪さだろうか。電源を入れると1テンポ遅れて起動し、電源を消すと1テンポ遅れて切れる。なので即座に撮影というのはできないと思う。電池持ちはあんまり気にならないので、いい方ではないか。意外と持つ方かなと感じる。」

★「α6000からの買い替え。AFやプレビューの切り替えなど、すべての反応が一瞬早くなったのが体感できる。動画特化のカメラになっており、α6000より格段に使いやすくなっている。画角が削れてしまうアクティブ手振れ補正だが、手持ちでも滑らかに撮れるので常にアクティブ補正で撮るくらい気に入っている。歩き撮りなどせず止まって撮影する+三脚やジンバルを使わない手持ちユーザーであれば、恩恵はかなり大きい。唯一の不満点はフリッカー対策がないことだ。シャッタースピードに気をつけてもチラつく事がある。」

★「画質は本体だけでは決まらない。使用するレンズによってかなり左右される。・付属レンズ→満足できず☆1。撮影条件によってはセンサーサイズの小さな2~3万円のコンデジ並みか、それに少し毛が生えた程度の画質になる。通常時でもイマイチ物足りず。(ちなみに違うレンズで撮影すると結果はかなり変わった☆4) 動画に関して気になったこと。・4K24Pで撮るとローリングシャッター現象が起きやすい。・本体の電子手ブレ補正は、余り効果を期待しない方が良い。そして画角が狭くなる。」

★「初代VLOGCAM ZV-1は右も左もわからずに苦労したが、今はα7SⅢも使っているので違う。前よりも使いこなせる感がある。前モデルの1インチから大幅にセンサーサイズがアップしているにも関わらず、価格は逆に安くなっている。既存の部品を流用したり設計は前モデルのままと言う欠点はあるが、無駄に高価格になるより良い。VLOGCAM ZV-1と共通点は多いけど、コンデジとミラーレス一眼の違いがあるので、私の使った感じとしては別物だ。」

 

VLOGCAM ZV-E10の評価

 

 

ここからは私が、VLOGCAM ZV-E10の評価をしてみたいと思います。

本機が動画用カメラとして買いであるかどうかは、ユーザーの使い方次第と言うのが感想です。

 

一般的に屋外でアクションシーンを交えた映像を撮るのなら、アクションカメラかジンバルを使ったスマホで十分面白い作品ができ上ります。

アクションカメラなら防水機能を持ったモデルが多く、天候に左右されずに撮影ができますしね。

 

一方で屋外で使うにしても、あまり動きのない自撮りなどが多いなら、ややセンサーの大きいZV-1のようなコンデジ型カメラを使うと画質的に有利です。

ではボディは小さいけれど、APS-Cの大型センサーとレンズ交換式が特徴のZV-E10はどうでしょう。

 

ハッキリ言って16ミリ~50ミリキットレンズを使う限り、あまりZV-1と比較して優位性はないと思います。

センサーは大型を搭載しているのに、レンズの悪さが足を引っ張っていますからね。

 

では、どんなユーザーに本機はおすすめできるでしょうか?

それは、すでにαシリーズの一眼カメラと高性能レンズを持ち、これらで動画を作成している人です。

 

普段、屋内ではα7シリーズなどのカメラで撮りつつも、このカメラだと屋外では機材が重くて自撮りするのは不便。

そんな時に小型軽量な本機を使えば、レンズの重さは変わらないまでも、随分と楽になることでしょう。

 

先述のように、キットレンズの16~50ミリは小型軽量でも、明るさや描写の点であまり良いとは言えません。

このレンズで足りるくらいなら、ほぼ同じ画角のレンズを搭載したZV-1を使った方が明るいし、センサーが小さい分シャープに写るし、背景のボケも本機に見劣りすることは少ないでしょう。

 

しかしながら、ZV-E10のレンズキットとZV-1は価格が近いので、どちらを選ぶか迷うところです。

ですが本機を買うのであれば、レンズなしのボディ+他の高性能レンズ(例えば12~24ミリ f4)の組み合わせの方が後悔しないでしょう。

 

本機はボディの優れたミラーレスカメラですが、あくまで組み合わせるレンズいかんで、その実力を発揮できることを念頭に置いた方が良いです。

Vlogを撮る上でZV-E10を選ぶならメインではなく、α7シリーズなどフルサイズ機のサブとして使うのがおすすめではないでしょうか。

 

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