『ソニー VLOGCAM ZV-1』使い方:今までの動画カメラと比較してどう違うのか?

以前YouTuberと言えば、動画はビデオカメラで撮ることが多かったものです。

ところが、デジタル一眼に動画機能が搭載されるようになってからは、彼らは段々とこちらへ乗り換えるようになりました。

 

現在は一眼レフの他、ミラーレス・多機能コンパクト・アクションカメラと、多彩に使い分けているようです。

レンズが交換できたり、センサーが大型で画質が良かったり、雨や水中など過酷な環境で撮れることが理由のようですね。

 

その中でVlogger(ブイロガー)と呼ばれる人達も派生し、YouTuberとは少し違う観点から映像制作を行っています。

この状況を反映して、こんなカメラが登場しました。

 

それは「ソニー VLOGCAM ZV-1」です。

今回は、このZV-1が映像作りをする人達に取って、どのようなメリットがあるのか使い方を検証し、今までのカメラとの違いを比較してみようと思います。




 

ソニー VLOGCAM ZV-1の特徴と今までのカメラとの違いを比較

 

 

一眼レフやミラーレスで動画を撮れば、画質の良い素晴らしい映像ができますが、反面、使いこなすには少々カメラの知識が必要です。

そこで比較的扱いやすい、多機能コンパクトを使う人もいるのですが、コンパクトカメラも本来は動画ではなく写真を撮ることが本来の役目。

一眼タイプのカメラより機能はシンプルとは言え、必ずしも使い勝手が良いとは限りません。

 

この状況を踏まえ、動画撮影を優先に設計したのがZV-1なのです。

小型でもセンサーが大きく画質の良い高級コンデジは、絞りだのシャッタースピードだのと、結構設定や取り扱いが面倒な部分があります。

 

これをZV-1では一気にシンプルにして、メカに強くない人でも簡単に使えるようにしました。

何と言っても優れているのが、思い付いたらパッと自撮りができるよう、背面の液晶モニターを引き出したら素早く電源が入り撮影準備完了すること。

これが動画撮影できるとは言え、一般のコンデジでは素早く準備できないんですね。

モタモタしている内に、撮影チャンスを逃してしまいます。

 

本機は電源が入ったら、左手親指を前に張り出したグリップに掛け、上部にあるシャッターボタンを押せば、直ちに撮影が開始されますよ。

一般のコンデジは、写真を撮るためのシャッターボタンは上部にありますが、動画を撮るためのシャッターボタンは背面にあるレイアウトです。

本体を持っての動画の自撮りは非常にやりにくく、この点だけ見ても本機は動画優先のコンデジと言えるでしょう。

 

また撮影中、自分に注目してもらいたい時は、ボタンをワンタッチして背景をボカすことができます。

逆に周囲を状況に視聴者に見せたい時は、再びボタンを押せばOK。

 

 

これを他のコンデジでは、写真を撮るなら絞り優先で操作できますが、動画においては不可能でした。

それを本機では動画において、一瞬でボケを変えられるのです。

 

それからYouTubeなどで、あなたが商品のレビュー動画をご覧になる時、レビュアーがカメラの前に、サッと商品をかざす場面を見たことがあるでしょう。

すると、瞬間的には商品にピントが合わないですよね。

 

これを防ぐため、レビュアーは手のひらを商品の後ろにかざして背景を隠し、ピントを合わせる操作を行います。

この操作が結構厄介なのですが、ZV-1では「商品レビュー用設定」をすることで、商品をレンズ前にパッと持って来ても素早くピントを合わせてくれるんです。

 

 

今までYou Tuber泣かせだった悩みを、ついに本機が解決してくれたのです。

さらに野外で撮影する時、悩まされるのが風。

 

この風がなびく音を内蔵マイクが拾ってしまい、ブォーっとノイズになって聞こえることがあります。

本機は本体上部にあるマイクを、付属のウインドスクリーンで覆うことができ、ノイズをシャットアウトすることが可能です。

搭載されているウインドカット機能も併用すれば、風の影響をほとんど受けない優れた仕様になっているんですよ。

 

ソニーには高級コンデジにRX-100シリーズがあり、デザインが似ている本機は、このシリーズをベースに開発されたと思われます。

センサーは同じで、コンパクトとしては大型の1インチCMOSを採用。

画質の良いのは同じですが、動画作りに関する限り、使い勝手は完璧にZV-1が上回っていると言えますね。

 

さて、ここで私が述べたことをより分かりやすく理解できる、YouTuberさんの動画を見ていただこうと思います。

数あるZV-1の紹介動画の中で、最も分かりやすいこちらをご覧下さい。

 


協力 大川優介さん

 

次に、実際の使い心地はいかがなものでしょうか。

既にユーザーになっている皆さんのレビューで、確かめてみることにしましょう。

その後で、私が本機の評価をしようと思います。

 

ソニー VLOGCAM ZV-1のユーザーレビュー

 

★「ZV-1はRX-100M5までの24-70ミリ/f1.8ー2.8の、明るい標準ズームレンズを使っている。他のRX-100シリーズが持つ200ミリの望遠が必要ではない人にとっては、こっちの方が良いと思う。風切り対策として、脱着式のモフモフが標準装備された。さらにマイク端子が装備され、上部にはマルチインターフェイスシュー(ホットシュー)がついた。上部にシューがついた結果、RX-100シリーズにあったポップアップ式の内蔵フラッシュと電子ビューファインダー(EVF)は無くなった。こちらは静止画像では魅力的なギミックだが、動画撮影では出番がない。その他レンズ回りのダイヤルや上部ダイヤルが廃止され、操作系が単純化されている。RX-100シリーズと同等に動画だけでなく静止画も大変きれいに撮影でき、一眼レフと同等の設定が可能だ。」

★「メーカーが本機をVlog用という特徴的な機能とは、”背景のボケ” をワンボタンで “ボケ” と “クッキリ” を切り替えられるというもの。実際に使ってみるとこれがなかなか便利。絞り優先モードで調整すれば済む話だが、Vlogの場合自分を強調したい、あるいは風景をきちんと記録したいという2極端のニーズが強いと思うので、ワンボタンで瞬時に切り替えできるのは上手いアイデアだと思う。 “商品レビュー設定” は実際の動作も実用的。動画で試してみたが、手に持った商品をカメラに近づけていくと、フォーカスは顔から外れて商品を追随する。ゆっくり動かせば前後の動きにも追随し、それに合わせて被写界深度により顔のボケ具合も変化するのが確認できた。アルゴリズムが賢いのか非常に的確に動作するので、商品レビュー系のYou Tuberは失敗が少なく効率もアップして重宝すると思う。AF/AE補正によって表情をキレイに撮影するという試みもVlog用途にドンピシャ。炎天下で帽子をかぶって自撮りしてみたが、陰になっている部分が暗くなってしまわず、表情が見易く好印象だ。」

★「風切り音低減ガードなんかついているものだから、てっきりアウトドア志向の本格派と思いきや、防水も防塵もついていなかった。期待を裏切られた気がする。間違っても、このカメラで台風の外の景色なんか撮りに行ってはいけない。安全なお部屋でセルフィーに撮ったりするのがよさげだ。でもそれならスマホでも十分な気も・・・。」

★「この機種は固定撮影で編集を前提とした、素材撮影のためのカメラだと思った。各種レスポンスの速さは気に入っており、近接撮影時のフォーカス速度はなかなか気持ちいい。電源周りではいまさらMicroUSBなのはいただけない。またGoProでも充電器は別途なことが多いが、純正アクセサリーにバッテリー充電器は用意してほしかった。動画用とするのであればハンディカムがまだまだ強いかなと思うが、コンパクトサイズでここまでできるようになっているので、今後の機種にも期待している。」

 

 

ソニー VLOGCAM ZV-1の評価

 

VZ-1は、今まで一眼レフやミラーレスを使って動画を作っていた人に取って、非常に楽な撮影を可能にした動画優先コンデジだと思います。

 

 

センサーもこのクラスでは大型の1インチ、画素数も2100満画素あるので、画質はかなり良い方だと言えるでしょう。

また取り扱いが簡単で、難しい一眼レフの知識がない人でも、高度な機能が使えるのも大きなメリットですね。

 

ただ私としては、本機に少し違和感を感じます。

それは冠に「VLOGCAM(ブイログカム)」と言う名前が付いていること。

 

つまりメーカーの考えからすると、YouTuberよりもVlogger向けのカメラですよと言っているのだと思いますが、Vloggerに取ってすれば、少し役不足な部分があるのではないでしょうか。

Vloggerは自撮りもするけれど、屋内よりも屋外で撮影する機会が多いと思うんです。

 

歩きながら屋外での撮影が多いのが、Vloggerの1つの特徴です。

なのに本機は、手持ちでの手振れ補正性能があまり良くありません。

別売りのシューティンググリップを使うと、使い勝手そのものは向上しますが、手振れに関しては普通のコンデジレベルと言えます。

 

またレビューにもあるように、防水・防塵機能がありません。

これでは、雨の日やスキー場なんかでは使えませんよね?

 

バッテリーがソニーの他機と共用できるのは良いですが、容量が小さくて連続撮影ではせいぜい60分程度しか持ちません。

気軽に撮りたいのに、バッテリー残量を気にしながらの撮影になってしまうでしょう。

 

これなら「HERO9」に代表されるGoProカメラを、「FEIYU TECK G6」のようなジンバルに取り付けて撮った方が、安定した映像を撮れるのではないでしょうか?

現実には、HERO9に対応したジンバルはまだ登場していませんが、対応製品が発売されるのは時間の問題だと思います。

雨などに濡れても心配ありませんから、Vloggerはこちらを使った方が安心感も高まるでしょう。

 

VZ-1には背景をワンタッチでボカしたり、商品をレンズ前に持って来てもすぐにピントが合う機能があり、これらが大きな特徴になっています。

これらはむしろ、屋内で商品レビューすることが多い、YouTuberにこそ重宝する機能とは言えないでしょうか。

 

そうやって考えると「VLOGCAM」ではなくて、「YOUTUBECAM」と呼んだ方が相応しいのではないかと思うんですね。

(ただ現実にはYouTubeの商標は使えないでしょうけど・・・。)

 

ですから使用するユーザーとしておすすめするのは、VloggerではなくYouTuberだと私は断言します。

今後本機の良さが多くの人に支持されたら、ミラーレスなど敷居の高いカメラをやめて、このVZ-1でサクサク動画作りに励む人が増えて行くことでしょう。

 

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