バイクでツーリングの様子を、動画で残したいと思っているライダーの方は多いと思います。
しかし意外なことに、バイクでアクションカメラを使うとなると、なかなかそれに適したモデルに出会えないと言う話を耳にします。
ライダーがアクションカメラに求める条件は、画質は最高ではなくても価格が安くてバッテリーの持ちが良く、ヘルメットに付けても違和感のないデザインのモデルです。
ウェアラブルタイプのカメラは軽くて便利だけど、バッテリーの持ちが悪いのが不満。
GoProのようなモデルは画質・性能も良いが、長時間撮影には予備バッテリーがやはり必須でしかも価格が高いですね。
ならばヘルメットカメラに特化した、こんなモデルはいかがでしょうか?
それは「Drift Ghost XL アクションカメラ」です。
ヘルメットにフィットする砲弾型スタイルで、余分な機能を切り捨ててできるだけ軽量化し、価格も低く抑えたカメラ。
今回は、モトブログも作ってみたいライダーに似合うDrift Ghost XLを、ユーザーレビューを交えて検証・評価してみましょう。
ライダーがヘルメットカメラとしてアクションカメラに求める条件
冒頭に少し触れてしまいましたが、ライダーの方たちがアクションカメラに求める条件は、自撮りが多いVloggerが求める条件とは結構異なります。
ライダーは、アクションカメラをヘルメットに装着することが多いです。
ヘルメットにカメラを取り付ける理由は、路面の衝撃やエンジンの振動をライダーの頭部が抑えてくれるので、画面が安定しやすくなると言うのがありますね。
そのためにできるだけカメラを軽くして、ライダーの首に掛かる負担を減らす必要があるのです。
軽量にするためには機能をできるだけ減らし、ボディを小型化しないといけません。
ボディを小型化するためには、液晶モニターを廃止することも視野に入れる必要があるでしょう。
それから長時間撮影を可能にするために、容量の大きなバッテリーが欲しいとも考えると思います。
ツーリング中にバッテリーの交換などに、手間を掛けたくないですからね。
さらに万が一のバッテリー切れを防ぐために、給電しながらの撮影も可能だと良いでしょうね。
しかもツーリングは、晴れの日ばかりとは限りません。
なのでカメラ本体は防水仕様が必須だし、雨の中でも給電しながらの撮影ができることが理想です。
価格が安いことも重要な条件になりますね。
バイクライダーの多くの方は多少画質が劣っても、安く購入できるのならそれを優先するでしょう。
そうやって考えると、高性能で高画質であるにもかかわらず、バッテリーの持ちがあまり良くない高価なGoProカメラは意外に敬遠されがち。
ツーリング映像を使ってモトブログを作るライダーは、これらの条件をクリアできるなら、Ghost XLのようなカメラを選びたいと思うでしょう。
Drift Ghost XL は軽い・バッテリーが長持ち・価格が安い
まずはメーカー提供の動画で、Ghost XLの商品概要をご覧いただきましょう。
これで、大まかに本機の内容を把握することができます。
Ghost XLのメーカーDrift社は、アクションカメラを2006年から製造・販売している老舗です。
元々イギリスで設立された会社でしたが、どうやら現在は中国系の会社が運営しているようですね。
アクションカメラに関しては歴史の長いメーカーなので、作りのしっかりした製品を送り出しています。
ヘルメットカメラに特化した砲弾型デザインをずっと継承しており、小型化を進めるため旧モデルにはあった液晶モニターを、Ghost XLでは廃止しました。
大きさは長さ92㎜x幅47㎜x厚み35㎜で、重さはバッテリー込みで133gです。
GoPro HERO10と比べサイズは特に小さくはないですが、HERO10の重量は153gありますから、ややGhost XLの方が軽量で優っています。
アタッチメント(マウント)は、ヘルメットの右側面に装着するものを2種類付属。
これを使って装着すれば本体の上下の傾きを調整でき、先端のレンズは約300度回転するので、これで左右の傾きの調整ができます。
本体にはWi-Fiを内蔵しており、専用アプリ(DRIFT LIFE)を使うことで、スマホで画面を確認できる仕様です。
機能の設定は上部にある3つのボタンを使い、背面の小さな液晶パネルを見ながら行いますが、老眼の人にはとても見難そうです。
アプリを利用しスマホ上でも行えるので、こちらを利用した方が便利かも知れません。
本機の実際の使い方に関しては、付属する日本語マニュアルが理解しにくいので、動画のチュートリアルも参考にすると良いと思います。
こちらは英語版ですが、You Tube設定の自動翻訳機能で日本語に切り替えればおおよそ分かるでしょう。
協力 KD6TAVさん
Ghost XLの大きなメリットは、内蔵するバッテリーが3.000mAhの大容量であること。
このために、最高で9時間の連続撮影が可能です。
おかげで、ツーリングの途中でバッテリー交換する手間がなく、ほぼ1日撮影に専念できることでしょう。
ちなみにGoPro HERO10は、1.720mAhの容量のバッテリーを使用するので、1日ツーリングするなら1度はバッテリー交換をする必要があります。
モバイルバッテリーを使い、給電しながら撮影する方法もありますが、防水になっていないので雨天時はできません。
Ghost XLは通常はマイクロUSB端子から充電を行いますが、Φ3.5マイク端子も装備されてこれが防水構造となっており、付属のケーブルを使うことでここからも給電が可能です。
本機には外部マイク用のケーブルも付いており、これを使うことで雨でも外部マイクを使っての録音ができます。
このことから、本機でツーリング映像を撮影するのは、天候を問わずとても軽快で楽なんです。
画質設定は本機の場合、フルHD1080p 30fpsが最高画質となります。
最近主流の4K画質ではありませんが、価格がHERO10の1/4程度であることを考えると、非常にコスパが高い製品と言えるでしょう。
もちろんマイク端子だけではなく、ボディもIPX7防水仕様になっていて、雨に濡れた程度ではびくともしない防水性能を持っています。
光学系に関しては超広角140度レンズを備え、115度や90度への切り替えもできます。
静止画においての解像度は1200万画素です。
機能としてはスローモーションやタイムラプスモードのほか、複数の本機を同時に制御できるクローンモードや、ドラレコと同じループ撮影ができるダッシュカムモードもありますよ。
ではここで、本機の実際の画質はどんなものでしょうか?
あるユーザーが撮影した動画がありますので、ぜひご覧下さい。
協力 バカずきんさん
いかがですか。
フルHD1080p画質なのでさすがに4Kには及ばないものの、モトブログに使う分には、そこそこ使える画質ではないでしょうか。
6軸手振れ補正機能も付いているので、ある程度エンジンや路面からの振動を抑えるのに効果的でしょう。
次に実際のユーザーの皆さんは、Ghost XLにどんな感想を持っているでしょうか?
いくつかユーザーレビューをピックアップしてみたので、次の頁で確かめていただきましょう。
Drift Ghost XLのユーザーレビュー
★「最高画質で撮っても風景を楽しめる画質ではない。しかし事故の状況を記録するためだけで有れば問題ない。熱暴走もなく、満充電で8時間撮りっぱなし出来るので大変満足している。恐らく自転車に搭載出来て長時間録画できるドライブレコーダーは、これ以外に無いんじゃないか。走行中の車のナンバーは画質が粗く、昼夜共に読み取れない。1080p30fpsでバッテリーが切れるまで撮りっぱなしでも、メモリーは30GB程度しか使わない。」
★「今までアクションカムをハンドルマウントで使用していたが、複数台のバイクがあるので、乗るバイクが変わるたびに外して装着するのが面倒くさく、ヘルメット装着型ドライブレコーダーを探していたところ、この商品にたどり着いた。アクションカムだとバッテリーの交換も煩わしく、常に3個以上持ってツーリングに行っていたが、このカメラはバッテリーの持ちが良いので6時間以上充電の必要が無く大変楽になった。お値段も安く画質もドラレコとしては必要十分で、夜間の映像もちゃんと撮れていた。よく分からない日本語の取説で設定は苦労したが、意外とコンパクトで良いのでもう一台買おうかな?」
★「下手な日本語の取説がついてくるが、説明がわかりにくく不親切。また設定など行う本体後方のディスプレイが極々小さいため(1㎝x1㎝しかない)拡大鏡が必須と思う。ネットでもあまり情報はないようなので、初期の取り扱いには注意が必要だ。画質はお値段の割によいと感じた。」
★「実質”GoPro” “OZMO” との比較になってしまうが、圧倒的コストパフォーマンスが選択基準の一つになる。本機が防水になっているから、バイクドライブレコーダーとして使っても便利だ。スクリーンがないため、バッテリーが長く使えるし落下の心配もない。」
Drift Ghost XLの評価
ここからは今までの記述を参考にしながら、私がGhost XLの評価をしてみましょう。
本機はひとことで言うなら、アクションカメラではなく、バイクや自転車のドライブレコーダーと位置付けるのが良いと思います。
アクションカメラと言い切るのなら、動画作品を仕上げるのに高画質・高機能が必須ですが、それに対し本機は役不足なのが否めません。
デザインから見てもヘルメットカメラ然としており、天候を問わずひたすら前方を撮り続けるカメラです。
そのために必要な防水機能を有しているし、内蔵バッテリーを満充電しておけば、これで長時間(実質6時間~8時間)撮影を続けられます。
残念ながらバッテリーの交換は不可能ですが、必要ならば、モバイルバッテリーで給電しながら撮影を続行すれば大丈夫です。
しかも防水機能のあるマイク端子と、付属する専用の防水ケーブルをつなぐことで、雨天時でも給電が可能。
雨天時でも外部から充電ができるアクションカメラは、他にはあまりないので、これは本機の大きな強みとなるでしょう。
同じように付属のマイク用ケーブルを使えば、外部マイクとつなぐことができるのですが、これさえも雨天時に使用が可能なんです。
マイクはヘルメット内にセットして、雨に濡れないようにすればOK。
また、本機の撮影モードをダッシュカムモードにすれば、上書きループ撮影ができるようになります。
一般にバイク専用ドラレコは設置が困難で、使いづらいところがネックと言われます。
ところが本機なら、容易にアクションカメラからドラレコに変身できる訳ですね。
画質に付いては、先ほどの動画を見ていただいた通り、目を見張るような高画質は望めないでしょう。
それでも実売価格がかなり安いし、撮影データ量も画質が劣る分、バッテリーやSDカードに多くの負担を与えません。
別売のリストストラップ型リモコンを使えば、撮影スタート・ストップを手元で行うことができて、使い勝手も向上するので便利です。
SDカードに付いては、残念なことに付属はしていません。
別途ユーザー側で用意する必要がありますが、他のユーザーレビューによれば、カードによっては本機と相性が合わないものがあるようです。
相性が合わないと、撮影途中でフリーズしてしまうのだとか・・・。
高価なドラレコ用カードを使う必要はないとは思いますが、それなりに名の通ったメーカーのカードを選んだ方が良いかも知れませんね。
いずれにせよ、安価ながらDrift Ghost XLは軽量で長時間撮影可能なヘルメットカメラとして、バイクライダーにおすすめのアクションカメラと言えるでしょう。
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