アクションカメラの仲間であるけれど、ややカテゴリーの違うカメラに、Vlogカメラがあります。
アクションカメラは同じ動画カメラとは言え、スポーツシーンを迫力ある映像に記録するのが得意。
対してVlogカメラは、主として自撮りシーンを撮ったり、散歩しながら周りの風景を撮るのに向いています。
先日DJIから新しく登場した「Osmo Pocket 3」は、このVlogカメラに属するモデルであり、さらに頭のレンズ部分に3軸スタビライザーが付くことで、ジンバルカメラと呼ばれることもあるんです。
本機は、これまでのDJI Pocket 2に変わる新型機となるもの。
果たして、機能も画質も大きく進化したと評判のOsmo Pocket 3は、新型機としてどんな魅力があるのでしょうか?
今回は本機の進化ぶりに焦点を当て、ユーザーレビューを交えながら、検証・評価してみようと思います。
DJI Osmo Pocket 3はDJI Pocket 2と比べどう変わったのか?
旧DJI Pocket 2からのOsmo Pocket 3の進化ぶりですが、まずは写真を見た通り液晶モニターが、1.08インチから2.0インチへ倍大きくなっています。
しかも大きくなっただけではなく、縦型画面のまま撮ったり、クルッと90度回転させることで、横型画面で撮ることが可能です。
メニューでいちいち設定することを思えば、何と簡単に切り替えられることでしょう。
モニターが大きくなったことで、被写体が見やすいのはもちろん、タッチ画面の操作性も向上しています。
また搭載しているセンサーが、1/1.7インチCMOSから、1インチCMOSへと大型化されました。
普通に撮っても画質の向上が見込まれるだけでなく、この手のカメラが苦手とする夜間性能も良くなったと言う訳です。
センサーが小さいと、どうしても夜間撮影では、暗部のディティールが不鮮明でノイジーですが、これが改善されたとなればとても嬉しいこと。
機能にしても、DJI Pocket 2では4Kで60fpsまでしか対応できなかったものが、Osmo Pocket 3では120fpsまで可能になり、キレイなスローモーションが撮れるんですね。
搭載するバッテリーも、875mAhから1300mAhへ大型化され、そのため最大動作時間は、166分まで延長されましたよ。
Osmo Pocket 3の進化はざっとこれくらいですが、それでもとても大きな成長ぶりと言えるのではないでしょうか?
あ、進化ではありませんが、名前がDJI Pocket 3ではなく、Osmo Pocket 3になったのも仕様の変更だと思います。(^^;
DJI Osmo Pocket 3 クリエーターコンボとスタンダードコンボの違い
Osmo Pocket 3には、標準セットとなるスタンダードコンボと、オプションがプラスされたクリエーターコンボがあります。
スタンダードコンボには本体のほかに、USB-C同士の充電ケーブル・本体保護カバー・ストラップ・三脚を装着するためのハンドルが付属。
これに対しクリエーターコンボにはさらに、0.75倍ワイドコンバーターとなる広角レンズ・650mAhのバッテリーハンドル、そしてミニ三脚・キャリーバッグが付きます。
さらに興味深いのは、ワイヤレスマイクのMic2トランスミッターとウインドスクリーン、そしてマイクを胸に付けるための、クリップマグネットも付くんですね。
これらが追加されても、2万円少々の価格アップ止まりとなる訳です。
単に散歩で風景を撮るのが主であれば、スタンダードコンボで十分だと思います。
しかしもし自撮りで、カメラから離れて撮る機会が多いユーザーだと、ワイヤレスマイクがあればカメラから離れてもクリアに録音できるので、Mic2トランスミッターやカメラを固定するミニ三脚の付いた、クリエーターコンボの方が便利に使えるでしょう。
今のところMic2トランスミッターは、オプションとして後から追加購入することができないので、自撮りVloggerは良く検討すべきかも知れません。
DJI Osmo Pocket 3の大型センサー採用の画質効果
Osmo Pocket 3は、そもそもVlog撮影に適したジンバルカメラと言うことで、スポーツシーンを得意とする、アクションカメラとは違った映像を作ることができます。
それはまず、本機がオートフォーカス機能を持っていること。
狙った1ヶ所にピントを合わせることで、バックをボカした映像が撮れるのです。
ピントが合ったところとボケたところがあると、立体的な画(え)ができあがりますよ。
アクションカメラは、オートフォーカスを持たないフォーカスフリーですから、画面全体にピントが合うような、ややつまらない映像になってしまうんです。
また本機は、左右・上下・水平の3軸ジンバル機能(スタビライザー機能)を使い、手ブレ補正を行います。
このジンバル機能とオートフォーカス機能を組み合わせ、ピントを合わせたい被写体をロックオンして、そのまま被写体を追い続ける、Active Track 6.0と言う機能が本機にはあります。
被写体の動きに合わせてジンバルが首を振り、ピント合わせとフレーミングを続ける映像は、フォーカスフリーのアクションカメラにはマネできない芸当です。
さて話が少しそれてしまいましたが、今回のOsmo Pocket 3は、1インチの大型センサーを採用しています。
DJI Pocket 2の1/1.7インチと比べ、6割ほど本機Osmo Pocket 3の方が大きいので、その分解像度が増して高画質。
特にセンサーのサイズアップは、光を通す量も増えるので、夜間でのディティール向上に大変寄与します。
これは、多くの動画カメラファンが気にするところであり、非常に期待したい部分。
では実際にあるユーザーが撮影して、他のカメラと比較した動画がありますので、ご覧いただきましょう。
比較したカメラは「insta360 ASE PRO」「GoPro HERO12 BLACK」「iPhone14 Pro Max」の3機種です。
協力 DRSportさん
いかがですか。
どのシーンでも、本機が最も色味も良く、明るいことがお分かりでしょうか?
比較した3台は、どれも夜間でも明るく撮れると評判のモデルばかりなので、本機の威力の凄さが確信できたと思います。
次に、Osmo Pocket 3を愛用している別のユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を抱いているのでしょうか?
いくつかレビューをピックアップしたので、次の頁で確かめてみて下さい。
DJI Osmo Pocket 3のユーザーレビュー
★「大きさ的には2作目の方が良かったが、iPhone連携でモニターしなくても使える点とバッテリー性能が格段に上がっている点が気に入り、3作目の最新型を購入することにした。主に風景撮影目的で購入したが、よさこい演舞など動きのあるものの撮影や、新幹線など高速移動する鉄道の撮影にも良いと感じている。また曇天や夏の花火大会など暗所での撮影が強いらしいので、そこには大いに期待している。」
★「皆さんが言われている内容だが、”非常にキレイな映像” “低照度撮影もバツグンにキレイ”。それをいつもカバンに入れておいて、急に撮りたくなった時もビューティフル動画が撮れる。しかし手持ちでなく、自転車に固定してなどの場合は、振動が取り切れず全然ダメだ。全てがアクションカメラの代わりとはならない。」
★「動画がメインの機種だが意外と静止画もいい。静止映像の欠点としては起動が遅い。速写性はない。レンズ固定はできないから、微妙なアングルが難しい。良い点は映像が奇麗で思った以上に夜景に強い。」
★「ジンバルが前モデルの物より進化した。画面も大きく見やすくなったし、操作性も向上した。充電持ち等もアップした。」
DJI Osmo Pocket 3の評価とまとめ
以上の記述を踏まえてここからは、私がOsmo Pocket 3の評価をしてまとめてみたいと思います。
ひとことで言ってしまうと、本機はジンバルカメラとして見れば、かなり優れた商品と位置できるでしょう。
2インチとは言え、この手のカメラとしてはモニターがかなり大型で見やすいし、操作もしやすいのも確か。
ジンバルも前モデルより動きが速くなり、手ブレ補正機能も向上しました。
その上で最も評価できる点は、やはり1インチの大型CMOSセンサーを搭載して、暗さに強いカメラになったことでしょう。
Vlogを中心に撮影するユーザーには、使いやすいカメラであるのは間違いありません。
一方で、ラフに使ってもへこたれないアクションカメラとは違い、ショックに弱く防水機能もないので、丁寧に扱う必要があります。
また本機特有の弱点ではなく、ジンバルカメラ全体に言えることとして、縦揺れに弱いことを認識しないといけません。
地面に置くのは問題ないとして、車やバイクに固定して撮影すると、ほぼ縦揺れを吸収することはできないでしょう。
あくまで手持ち撮影スタイルが基本、と覚えておいた方が無難ですね。
それ以外は特に弱点はなく、バッテリーの持ちも良いし、熱暴走にも強いカメラと言えると思います。
あともう1つ強いて弱点を言えば、価格が高いことでしょうか。
ですが本機が登場したことで、前モデルのDJI Pocket 2の価格が下がっており、そもそもジンバルカメラとして優秀なので、安く手に入れたいならこちらを買うのもアリ。
Osmo Pocket 3は、Vlog撮影を存分に楽しみたいユーザーには、注目すべきカメラの1つと言えるでしょう。
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