『RICOH THETA Z1』レビュー評価:姉妹機SC2と画質や使い方はどう違うか?

360度カメラの先駆者として人気ある日本メーカーの製品として、RICOHTHEATAシリーズをあなたも良くご存知のことでしょう。

何回ものモデルチェンジを経て、性能も随分良くなって来ましたが、そのフラッグシップモデルに「THETA Z1」があります。

 

これまでのものと違い中身を大きく変えたTHETA Z1ですが、価格面でも大きくグレードアップしたことで、その実力ぶりが気になるところですね。

今回はそんなTHETA Z1にスポットを当て、ユーザーレビューを参考にしながら、魅力を検証・評価してみたいと思います。




 

RICOH THETA Z1の特徴

 

 

今までのTHETAにはなかったZ1の特徴は、何と言ってもCMOSセンサーの大型化にあるでしょう。

これまでのTHETAシリーズのセンサーは、1/2.3インチの普及型デジタルカメラと同じ大きさだったのですが、Z1では一気に1インチの大きさに変更されました。

 

面積は約4倍にあたり、これだけでも相当な高性能化が図られたことが伺えます。

このおかげでグンと解像度がアップし、夜間など露出が不足しやすい場面でのノイズ低減化が実現されました。

 

静止画の画素数も2300万画素になり、7Kに相当する高画質が得られるように。

動画は、3840px1920pの4K 30fpsのコマ数で撮影が可能です。

 

センサーが大きくなったことでレンズも大型化され、そのメリットとしてフレアやゴーストを抑制し、クリアな動画/静止画を提供してくれます。

同時に絞りを変えられるようにして、静止画ではF値をf2.1(開放)・f3.5 ・f5.6の3段階に選べる、絞り優先AEを新搭載。

 

動画では3軸手振れ補正機能を採用して、安定した滑らかな映像を楽しむことができるようになりました。

それから、今まで撮影データはJPEGでしか保存できなかったものが、RAW形式でも保存が可能に。

 

これでデジタルカメラと同じように、高画質な画像処理ができますね。

無料のアプリ「RICOH THETA Sticher」を使って、アドビフォトショップ ライトルーム クラシックCCへプラグインOK!です。

 

その他には、0.9インチの有機ELパネルを前面に新搭載。

電池残量・撮影モード・撮影可能枚数などが、本体で確認できるようになりました。

高性能化されたことでボディも高級化を施し、プラスチックから丈夫なマグネシウム合金を新採用、三脚穴もプラ製から金属製に変更されています。

 

ではエントリークラスに当たるTHEATA SC2とは、どこが違うのでしょうか?

その項目を並べてみましょう。

 

RICOH THETA Z1と THETA SC2との違い

 

THETA SC2Z1と比較して厚みも含めひと回り小さいし、ボディがプラスチック製であることもあって、重量は約104gと80gほど軽いです。

画像の画素数も1400万画素と少なくなっています。

 

動画はどちらも4Kで撮影が可能ですが、そもそもSC2はセンサーの大きさが1/2.3インチと随分小さいですから、画質の違いは当然でしょう。

録音マイクはZ1のステレオ4chから、SC2はモノラル1chとなっています。

 

露出モードはプログラムAE・シャッタースピード優先AE・ISO優先AE・マニュアルと4つのモードがありますが、Z1のように絞り優先AEはありません。

その代わりボディカラーはZ1のブラック1色に対し、SC2は4色から選べます。

 

ただ意外にも違わないところが2つ。

それは、記録メモリーと駆動バッテリーが、両機とも内蔵されているものしか使えないことです。

このあたりは、以前より交換ができることを望まれていたのに、依然変わらないのはちょっと不思議な感じですね。

 

RICOH THETA Z1の使い方

 

 

THETA Z1の使い方としては、まずこのカメラは動画よりも静止画、つまり360度の写真を撮るのに適した製品と認識するべきです。

その根拠の1つにTHETAシリーズは、前述のように、一貫して内蔵メモリー/内蔵バッテリー仕様にこだわっていることからです。

 

GoProInsta360は、動画を撮ることをメインに設計されており、microSDカードが使えたりバッテリーを交換できたりします。

なので、長時間の撮影で多くのデータを記録できますが、THEATAはこれが苦手。

 

Z1は内蔵メモリーが約19GBしかないし、4Kで撮影すると1回のシャッターで約5分、メモリーいっぱいまで撮ろうとしても最大40分までの撮影しかできないのです。

また、本機は3軸手振れ補正機能を搭載していますが、それほど高性能ではなく、ジンバルのような安定した映像を得られません。

その代わり大きなセンサーのおかげで、写真はとても奇麗な仕上がりが期待できます。

 

ただし手持ちで撮るのではなく、小さな三脚が付いたモノポッドスタンドに固定して定点撮影することが前提。

本機は静止画を撮る際には、手振れ補正機能が機能しませんから、これが重要なんです。

 

 

三脚ではなくモノポッドスタンドを使うのは、普通の三脚だと脚がカメラに写り込んでしまうから。

このようなスタイルで定点撮影すれば、例えば星の軌跡写真なんかはとても綺麗です。

 

また、天の川は肉眼だと良く見えないものですが、Z1で撮影するとクッキリと天の川の形が浮かび上がって写るんですね。

集合写真を撮る際にも、大勢の中にZ1を置いて撮れば、素晴らしいクオリティで迫力ある記念写真が完成します。

 

動画の場合でも自撮り棒を使って撮るんじゃなく、例えば車のボディに固定して撮れば、長時間撮影は無理でも奇麗な走行映像を作れますよ。

静止画にしろ動画にしろ、基本は本体をきちんと固定して撮影することが、THEATA Z1の本領を発揮できる使い方と言えるでしょう。

そんな意味から本機を正確に分類すれば、アクションカメラとは呼べないかも知れませんね。

 

ではここで、あるユーザーが撮った、サンプル映像を見てみることにしましょう。

車に固定した場合の映像と、自撮り棒を使った場合の映像をご覧いただけます。

本機に対するレビューも述べているので少し長い動画ですが、Z1を詳しく知りたい人には参考になると思います。

 


協力 ITAGAKI .TVさん

 

いかがですか?

決して気軽に使える360度カメラではありませんが、使い方を工夫することで、優れた作品を作れることがお分かりではないでしょうか。

 

次に、実際に愛用している他のユーザーの皆さんは、どんな感想を持っているのでしょうか。

いくつかのレビューで確かめてみることにしましょう。

 

RICOH THETA Z1RICOH THETA Z1のユーザーレビュー

 

★「Teata Vを使っているが、多少でも画質が良いならと購入してみた。360°カメラは9種類12台使用しているが、THEATAシリーズに関しては静止画専用と割り切った方が良い。出力画素:2300万画素で1インチセンサーの為、さすがに画質が奇麗だ。Teata Vでは近遠景でモヤけた感じがあり、夜間は更にモヤモヤッとしているが、THEATA Z1ではそれがなく奇麗に撮れる。ただ動画については機能UPしているとは言え、アクション向きなカメラではないので、GoPro・GARMIN・Instaなどに分がある。5.2K 5.7Kで撮影できるし、動画に特化した機能性能がある為、Teata V THEATA Z1はかなわない。ただ静止画はTHEATA Z1の方が上だ。静止画に関しては他の追随を許さない。とても奇麗な写真が撮れる為、これはこれでありなカメラだ。」

★「360°全方位を撮影できると言う点と画像の良さでは、文句なしの☆5つ。ただし電池の持ちが2時間と持たないのが減点。またスマホと連動してシャッターを切ることが可能なのも良いが、本体のシャッターボタンでは指が写ってしまうし、WiFi接続でシャッターを切ることで電池の持ちが悪いのであれば、それはまた問題があるかと。自撮り棒を装着した際、自撮り棒の手元にシャッターがあって、それを押せば写真が撮れる様にすることが出来れば良いかと思う。」

★「ド素人の為の商品かと思う。多少PCが使えるなら、ステッチングソフトのPTguiで360°を作った方が間違いなく奇麗だ。欠点は起動が本当に遅い!良い点は今までのシータの中では圧倒的に画質は良い!価格の割にって感じだ。ワイヤレスリモコンがあれば助かる。携帯だと遅い!」

★「THEATAで撮った写真をPCで色々と加工できるし、既にPCにある写真も専用のアプリで加工出来るので応用範囲が広く、実に面白い写真が出来上がる。本来スマホの対応が主なのであろうが大きな画面のPCの方が作業し易く、じっくりと楽しめる。」

 

RICOH THETA Z1の評価

 

 

ここからは私が以上を踏まえ、THEATA Z1の評価をしてみたいと思います。

本機は、1インチの大きなセンサーを採用していることで、360度の写真を作品にするために持って来いのカメラだと思います。

 

メーカーの考えとしては、デジタルカメラに対するコンセプトと同じで、一般のデジカメでは撮れない360度画像が、THEATAと言う名のデジカメなら撮れるスタンスですね。

なので、動画機能はどうしても他のデジカメと同じで、オマケ的なものになってしまうと言わざるを得ません。

 

価格が10万円を超える360度カメラなんだから、当然動画も良いハズと思うかも知れませんがそれは間違いです。

360度の高画質動画を作るのだったら、GoPro MAXInsta360 ONE X2を選んだ方が満足度は高いでしょう。

 

もしTHEATAを遊び感覚で使うとしたら、高価なZ1ではなく、Z1の半額以下で買えるSC2を選んだ方が正解です。

静止画の画質は明らかにZ1の方が良いですが、動画に関して言えばSC2と大差ないからです。

 

では、どんな人がTHEATA Z1を選ぶべきなのかは、普段は一眼レフやミラーレスで写真撮影を楽しんでいるが、いざと言う時、高画質な360度写真を撮りたい人。

また不動産屋を営んでいて、部屋の間取りを、高画質な360度写真で提供したい業界人ですね。

 

どちらの場合にしろ、気軽にバシャバシャ撮ると言うよりも、しっかりモノポッドスタンドに固定して、ガッチリ撮影する用途に利用するのが相応しいでしょう。

それにしても今後のTHEATAに求めたいのは、内蔵メモリーをもっと大容量にするか、microSDカードに対応させることです。

 

それからバッテリー容量もより大きく(できれば現在の倍)するか、交換式に対応することが必要なのでは?と思います。

RICOHさんには、今後も頑張ってもらいたいですね。

 

2


または

3

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。



このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください